エレコムはPC周辺機器の他、それを収納するための小物ポーチやPCバッグ、バックパックといったアクセサリー類も企画/開発している。
しかし、コロナ禍もあって、2020年に国内ブランドのアクセサリー類の小売市場規模は大きく縮小した。昨今は規模面で持ち直してきてはいるものの、2019年以前の水準にまでは戻っていないという。
そんな中、同社は「これまでとは異なるアプローチ、エレコムのバッグを選ぶ理由」(児野氏)を模索していた。その過程で、「バッグへの思いの強い人と一緒に(バッグ類を)作る」という考えに思い至り、2023年夏にバックパックのレビューを多数手がけていたリュークさんに声を掛けたという。
リュークさんはYouTubeの他、Instagram、X(旧Twitter)など、各種SNSでバッグ類の紹介やレビューを行っている。通り一辺倒な紹介だけでなく、ポケットの素材や仕様、何が入るかなど、視聴者/フォロワーが購入前に知りたいと思うことを細かくレビューしている。バッグの「良いところ」「欲しい機能」などを熟知している、まさに“カバンの人”なのだ。
本製品の開発は、リュークさんによる手書きラフから始まった。その後、仕様やデザインのブラッシュアップ、サンプル(試作品)への落とし込みなどを繰り返した。その過程をYouTubeにアップすることで、リュークさんのもとに集まるカバン好きな人たちからのフィードバックも集まり、納得のいくものが生まれたという。
視聴者からの声に、「内側の布を明るい色にしてもらいたい」というものがあったという。「暗い色だと、カバン内部でモノが迷子になってしまうから」ということだった。これは最終段階で反映され、白に近いグレーへと変更された。
また、ボトルホルダーのポケットの長さや、ボトルホルダーと反対側に付ける小物ポケットの位置も変更された。ボトルを支えるポケットの布の長さが短いと、三脚など長めのものが外側に倒れやすくなること、また小物ポケットが左側にあると背負った状態でものを取り出しにくいということが理由だ。
ボトルホルダーと小物ポケットの位置が入れ替えられた。製品化直前のバージョンでは背負った状態で右の位置にボトルホルダーがあったが、最終バージョンで左に変えられた。代わりに、小物ポケットは右側に移動しているリュークさんによると、本製品で特にこだわった点は3つあるという。
重いもの(≒ノートPCなど)は、重力の都合で下方向に落下しようとする。それを縦長のバックパックに入れると、当然下側に重量が集中するのだが、そうすると振り子の作用で重さを余計に感じやすい。
しかし、背中側、特に上側ショルダーストラップの付け根付近に重いものを配置できれば、重さを感じづらくなる。「PCを取り出すときに、一緒に使うものを収納するポケットを同じコンパートメントに配置することで、すぐに作業を始められる」というリュークさん。ソフトウェアエンジニアとして出先での作業が多いという自身の経験に基づくこだわりだ。
長さをすぐに切り替えられるアジャスターは、「自転車に乗っている時には体の動きを妨げないようショルダーストラップを長めにするが、ウォーキングでは横揺れしないよう短めにしたい。その都度、長さを微調整するのは面倒だ」という経験から生まれた。
また、バックパックを背負ったり前に抱えたりしている場合に、片方のショルダーストラップを肩にかけた状態でモノを取り出しやすいように、人体の動きに合わせて上または横からのアクセスをしやすくしたのも大きなこだわりポイントだ。
リュークさんは「他にもこだわったポイントが50くらいあるんですが、全部語っていたら時間が足りなくなるので、皆さんご自身で使い勝手の良さを実感してほしい」と締めくくった
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