続いて西氏は、今回のMSX DEVCON 7で初めて明らかにされた新構想「MSX DIY」について説明を始めた。その要旨は以下の通りだ。
「今、パソコンを作るというのはどういうことかといったら、マザーボードを買ってきて、マザーボードにCPUを挿して、メモリを挿して、SSDを繋いでとかで、それで作ったことになるのかなと思う。
それでコンピュータのことが勉強できるかと言ったら、私も600人を対象にパソコンを作る授業をしたことがあって、朝10時に開始して、午後3時までにほとんどの人がパソコンを完成させて喜んで持って帰った。でもどうしてもパソコンが動かない人が50人くらい残って。600人中50人が動かなかったので、結局夜中の12時までかかった。
しかし、僕は600人に対してパソコンを作るという授業をしたおかげで、ちょっと前のパソコンだったら、どこがおかしいか瞬間的に分かるようになった。もう二度とやりたくないけれど。これはフロッピーディスクがおかしいとか、メモリーがちゃんと最後までささってないでしょとか、そのパソコンが動かない理由がどこだって分かるようになった。その経験から考えても、パソコンを作るということはもっと違うことではないかなと思う」と経験を語った。
加えて、「だから、8bitのマイコンからbitレベルで理解をして、64bitまで拡張していくという、壮大なパソコン作りの学習をやるのは絶対に面白いなと。IoTの次はもちろんゲームが目的で、50回ぐらいに分けてturboRまで行くと。これを次のクラウドファンディングで開始したいと思う。
4モデルを4回のクラウドファンディングでやる予定で、次のクラウドファンディング3ではMSX1+とMSX2+、その次のクラウドファンディング4では、クラウドファンディング3でMSX1+を作った人がMSX2+にするアップグレード基板を提供する。クラウドファンディング5では、MSX2+LaptopとMSXturboR+をやりたい。MSX2+Laptopの需要はあると思う。
そんなにたくさんは売れないと思うけど、世界中で100台は売れると思う。100人に買ってもいいよって言ってもらえれば。クラウドファンディング6では、MSX2をMSX3にアップグレードする基板をやる。ここにポケット、MSX0のIoTのポケコンが入る。ポケコンを入れざるを得ないのは、最低発注数が1000台なので、お客さんを1000人募っていきたいからだ」とも語った。
続けて、「それからデアゴスティーニ(分冊百科など)のようなことをするなら、説明書をちゃんと書いてと。毎回毎回、4〜5ページで終わるなよともDMで忠告がきまして、そんなことは分かっていると。まず、アスキーが出していた『MSX Pocket Bank』全巻の著作権があるので、それを再編集して、パソコン製作講座みたいな感じにして付けていく。それで気付いたら、『MSX Datapack』が全部来ていた。みたいなことを思っている」と構想を述べた。
そして「これは、ちくわ帝国さんがお作りになったもののプラスα版で、キーボードはフルキーボードで、このキーボードを2つに割ってテンキーも付けて、スリーキーボードのスタイルにしたいと思っているが、それはまだ完成していない」とした。
「これができたら、次はMSX1をMSX2にアップグレードする基板を作って、MSX1をお持ちの方がMSX2にアップグレードできるようにしたい。カートリッジの大きさの基板にまとめて、MSX1のZ80を抜いて挿せば、MSX2になるようなことをやりたい」とした
西氏は「MSX DIYは、提供の仕方を3種類考えている。まず、DIYという名前なのだから、裸のプリント基板とバラバラの部品で売らないでDIYと言えるかと。ゼロからお作りになるのはセミプロの方なので、その方に敬意を表して、ハンダとハンダごてを付属する。
それから、プリント基板に部品とコネクターとICソケットを全て実装したものも提供しようと思っている。このプランには、ICを抜く工具をおまけで付ける。最後は、全ての基板が完成済みでマザーボードに基板を挿すだけで完成するという、この3種類をやろうと思っている。
作れなかったらどうしようということで、みんながこの基板を挿すだけというのを買ったら、勉強にならない。だから、Zoomのリモートサポート券とSOS券を付けようと思っている。SOS券をお札のように貼って小田原に送ってもらったら、完成させてお返しする」と夢を語った。
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