もう1つのハイライトが、アイトラッキングセンサーを内蔵したことです。目の動きを検知可能なシステムで、AppleのVision Proのように視線入力をポインティングデバイスとして使うことができる他、XR空間で操るアバターにユーザーの目の動きを反映させることが可能です。
笑顔、しかめっ面など表情の動きを捉える「VIVE Focusシリーズ用フェイシャルトラッカー」(1万4900円)も使用できます。
ヘッドセット本体と両手のコントローラーでも、上半身の動きはVRアバターに反映できます。さらに腰や足の動きも正確に反映させたいなら、「VIVEトラッカー(Ultimate)」が必要です。3つのトラッカーと1つのワイヤレスドングルのセットで、価格は9万1900円です。
MR機能に関しての説明もありましたが、既に10万円以下の「Meta Quest 3」や「PICO4 Ultra」で実現している機能ゆえに、正直に言えばインパクトに欠けました。発表会後のデモンストレーションでもMR機能の体験をしましたが、現行の他社製品に近しいクオリティーという印象でした。
とはいえ、VIVE Focus Visionは業務用途も前提とされているXRデバイスです。VR施設向けに長らく機材を提供し、サポートしてきた経験を持つHTCだからこそ、周囲の景色も見通せるMRを有効活用したB2B、B2B2Cサービスやコンテンツの要となる期待感があります。
B2C市場を見ている筆者としては、標準状態で上半身と目を、オプション機器を加えることで身体全体かつ表情まで動かせるところにVIVE Focus Visionの強みがあると見ました。
VRChatなどのソーシャルVRで演劇の舞台を開いたり、離れた場所に住む仲間と組んだバンドのライブ演奏、ホストクラブのホストとして接客するなど、演技やロールプレイ、パフォーマンスを楽しむ人が急増している現在、メーカー純正の機器でVR活動にいそしめるメリットはあるでしょう。
特にVRChatはこの夏の“スタンミショック”(ストリーマーのスタンミジャパンさんがVRChatをライブ/YouTubeで紹介して以来、日本人ユーザーが急増)がありましたし、これからソーシャルVRをはじめる機器としてお勧めできますね。
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