NECによれば、2021年4月から2023年8月にかけて自社で行ったGIGAスクールにおける修理対応(1万2667件)のうち、修理が多かった部位トップ3は順にトップカバー(43%)、液晶パネル(24%)、メインボード(13%)だった。
これを受け、次期モデルではさらなる頑丈さと耐久性の強化が求められたという。Chromebook Y4の外装はABS樹脂で、グリップ感の向上と傷を目立ちにくくするために、ザラザラな表面処理が施されている。コストが限られたGIGAスクール端末だからこその、低コストで実現できる工夫だという。
外周部分にはTPU素材の保護材を装着している他、旧モデルに比べて設置面積を拡大したゴム足(交換可)や、底面のネジを緩めた際に脱落しづらくなる脱落防止リングも採用している。
特に底面のゴム足については調整を重ね、本体が机上で滑らないように設計されている。記者も実際に机上で本体をかなりの強さで押してみたが、滑ることはなかった。机からの落下を防止できそうだ。
キーボードはキートップの外れや隙間への異物挟み込みを防止するため、旧モデルと比べてキートップ同士の隙間を0.6mmから0.5mmに狭めたという。
バッテリーは新たに底面から取り外せる着脱式となり、劣化などで交換する際の作業工数を削減している。バッテリーパック部分に限りトルクス(星型)ネジを採用することで、取り扱いに注意が必要なバッテリーを“分解好き”な児童/生徒が容易に取り外せないようにする工夫も施されている。
一方で、オプションとして用意している専用ペンは本体収納が不可となっている。重量は計測中とのことだが、記者がNEC Chromebook Y3と持ち比べたところ、互いに近しい重量だと感じた。
文部科学省は公立小中学校の端末調達について、原則として都道府県ごとに一括で行うことを求めている。端末メーカーにとって競争が激化することが予想されることから、NECは現場の要望に寄り添った端末でアピールしたい考えだ。同社は2025年2月下旬にChromebook Y4の出荷を開始し、2028年度までに200万台の提供を目指す。
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