Microsoftが10月1日から順次配信している最新のOSアップデート「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」だが、本バージョンの導入によって不具合が発生する可能性がある環境では、「セーフガードホールド」と呼ばれる機能でアップデートの配信が見送られている場合がある。
この記事では、Windows 11 2024 Updateにおいて2024年12月10日時点で発生している既知の問題と、緩和/解消した既知の問題をまとめる。なお、同年11月27日時点で報告されていた既知の問題や、解消した問題については別の記事で紹介している。
中華人民共和国(中国)で使われている税務申告用アプリまたは政府提供アプリをインストールしてある旧バージョンのWindows 11 PC(2023 Update/バージョン23H2まで)に対して本バージョンへの更新処理を行うと、以下のいずれか(または複数)の問題が発生することが判明した。
上記の問題は、税務申告用アプリや政府提供アプリが用いる「統合ソフトウェア」に含まれるデバイスドライバが原因であることが分かっている。この統合ソフトウェアは単体でインストールされることはないが、アプリと共にインストールされることで問題を引き起こすという。
そのため、この統合ソフトウェアがインストールされているPCについては、12月6日までにセーフガードホールドが設定された。インストールアシスタントやインストールメディアを使った手動バージョンアップも推奨されない(「メディア作成ツール」を使う場合は警告メッセージが出る)。
現在、この問題の解決に向けた作業が進められているということで、進捗(しんちょく)があり次第、情報を提供するとのことだ。
本バージョンを導入しているPCで、Ubisoft(ユービーアイソフト)が開発した一部ゲームタイトルでゲームの起動中、データの読み込み中、またはゲーム中にプログラムが応答しなくなることがある問題が発生している。
本事案について進捗があり、以下のタイトルについては暫定的な対策パッチ(修正)の配信が行われたため、12月5日までにセーフガードホールドが解除された。ただし、この暫定パッチは一部シーンでパフォーマンスが低下する副作用があるため、引き続き“完全解消”に向けた取り組みが進行中だ。
一方、以下の3タイトルについては問題が解消されていないため、引き続きセーフガードホールドが適用されている。セーフガードホールド適用前に本バージョンを適用したPCで、不具合が発生した場合はキーボードの「Ctrl+Shift+Escキー」を押してタスクマネージャーを起動し、アプリを強制終了しよう。
本バージョンをインストールしたPCにおいて、Googleが提供する「Google Workspace Sync for Microsoft Outlook(GWSMO)」が以下の問題を起こす場合がある。
これらの問題が顕在化すると、GWSMO自身のアンインストールや再インスト−ルも行えない恐れもある。
本件を受けて、MicrosoftはGWSMOの旧バージョンをインストールしているPCに対して12月5日までにセーフガードホールドを設定した。インストールアシスタントやインストールメディアを使った手動バージョンアップも推奨されない。
なお、この問題はGWSMO自身に原因があり、Googleは問題を解決したバージョンの配信を開始している。Windows 11を本バージョンに更新する場合は、事前にGWSMOを「バージョン4.3.68.0」以降に更新しよう。同バージョン以降のGWSMOをインストールすることで、セーフガードホールドは解除される(※1)。
(※1)解除には最大で48時間を要する。48時間を経過しても解除されない場合、Microsoftは「Google Workspaceのサポートに問い合わせてほしい」としている
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