9月21日(米国太平洋夏時間)から、Windows 11の最新バージョン「2022 Update(バージョン22H2)」の配信が始まった。
Windows Updateを介した配信は、ここ最近のWindows 10の大型(機能)アップデートと同様に、準備の整ったデバイスから順次行う「ローリングアウト方式」を取っている。基本的には比較的新しいデバイスから段階的に範囲を広げていくイメージだ。
そして10月4日(同)、Windows UpdateによるWindows 11 2022 Updateの配信対象が拡大され、原則として全てのデバイスでWindows Updateを通した適用が可能になった。
しかし、動作条件を満たしているのに何らかの理由でWindows 11 2022 Updateのアップデートが行えないケースもある。この記事では、アップデートできない理由を調べる簡単な方法を紹介する。困っている人の参考になれば幸いだ。
以前の記事でもお伝えした通り、Windows 11 2022 Updateへのアップデート対象となるデバイスの場合、Windows Updateで更新をチェックすると以下のいずれかの表示が出てくる。
先述の通り、現在は配信対象デバイスが拡大されたため、基本的には「即時更新できる場合」の表示が出るはずである。しかし、現在も「すぐには更新できない場合」の表示のままとなることがある。かくいう筆者が、その“例外”に当てはまってしまった。
「原則全デバイス対象になったのに何で……」と、何ともいえない感情に襲われるかもしれないが、慌ててはいけない。
Windows 10/11のWindows Updateでは、動作に大きな問題をもたらす「既知の問題(Known Issues)」を抱えているデバイスに対して、その原因となるアップデートの配信を抑止する「セーフガードホールド」という仕組みが導入されている。
動作要件を満たしているのに、待てど暮らせどアップデートが来ない――そのような場合は、当該デバイスに対してセーフガードホールドが発動されていると考えてよい。
このセーフガードホールドは、現行のWindows 10/11デバイスでは標準で“有効”となっている。Pro/Enterprise版のOSを使っている場合、セキュリティポリシーを変更することでセーフガードホールドを無効化することも可能だが、「動作に大きな問題をもたらす事象からデバイスを守る」という趣旨を考えると無効化は推奨できない。
精神衛生上、待てど暮らせどアップデートできないのは酷である。しかし、自分のデバイスに対するセーフガードホールドの内容が分かれば、ざわつく気持ちも落ち着くはずだ。
実はセーフガードホールドの内容を調べる方法は簡単だ。「近日公開予定(Coming soon)」の下方にある「詳細情報(Learn More)」というリンクをクリックするとWebブラウザが起動し、自分のデバイスに対するセーフガードホールドを一覧で確認できるサイトが表示される。一覧から個々のガードをクリックすると、その内容を確認可能だ。
内容ページを見ると「発生している問題の概要」「現在のステータス」「詳細な情報(暫定的なものを含む対処方法、ガードの解除見通しなど)」「注意点」などが記載されている。
筆者のThinkPad X13 Gen 3の場合は、アップデートによってWindows Hello(生体認証)の動作に問題が発生する可能性があるためにセーフガードホールドが発動していたようだ。この問題は修正パッチにより解決済みで、10月中旬にセーフガードホールドを解除するとも記されていた。
なお、セーフガードホールドのページは日本語で表示されない場合がある。一部、機械翻訳で日本語化されていることもあるが、うまく翻訳されないケースも少なくないため、筆者個人としてはできれば原文である英語のまま読むことをお勧めしたい。開いたページのURLの「ja-jp」を「en-us」にすれば、英語で読める。
セーフガードホールドの内容ページに記載があった通り、ThinkPad X13 Gen 3では10月15日(日本時間)にWindows 11 2022 Updateが“解禁”された。特に問題なくアップデートできたことを、この記事をもって報告したい。
Windows 11を使っている人で、手持ちのデバイスに2022 Updateが配信されない場合は、この記事に記載された方法で確認してみることをお勧めする。
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