Microsoftは9月20日(米国太平洋夏時間)、「Windows 11 2022 Update(Windows 11 バージョン22H2)」の製品版をリリースした。日本を含む190の国/地域において順次配信を開始する予定で、動作要件を満たすWindows 10/11デバイスに対しては、準備ができ次第「Windows Update」を通して適用できるようにする見通しだ。
Windows 11 2022 Updateは、Windows 11のリリース以来初めてとなる大型アップデートである。Microsoftによると、このアップデートは大きく以下の4点に注力して開発を進めたという。
機能の追加や改善は非常に多岐に渡るため、主なものについて簡単に解説していく。なお、一部の機能は2022年4月のイベントにおいて実装が予告されていたものだ。
エクスプローラー(File Explorer)は、Microsoft Edgeのような「タブビュー」に対応する。ただし、タブビューに対応するエクスプローラーは、セキュリティ更新を伴わない累積更新プログラム(いわゆる「Cアップデート」)に内包する形で10月から提供される予定だ。
スタートメニューは、レイアウトのカスタマイズに対応する。具体的には「ピン留め済み(Pinned)表示」または「おすすめ(Recommendation)表示」のどちらかをより多く表示できる設定が可能となる。また、ピン留め済みのアプリをスタートメニュー上でグルーピングして、そのグループに名前を付ける機能も実装される。
新たなアクセシビリティ機能(誰でもPCを利用できるようにするための補助機能)として、音声によってWindowsを操作できる「ボイスアクセス(Voice Access)」と、再生される音声に対してリアルタイムに字幕を付与する「ライブキャプション(Live Captions)」が実装される。既に実装されている「ナレーター(Narrator)」については、より自然な発音ができる「ナチュラルボイス(Natural Voices)」をサポートする。
ただし、これらの新機能や改良は、現時点において米国英語(EN/US)でのみ利用可能で、ボイスアクセスについてはプレビュー実装となる。
表示されているテキストを読み上げるナレーターでは、より自然な読み上げを実現するナチュラルボイスをサポートした。声は「Aria(アリア)」「Guy(ガイ)」「Jenny(ジェニー)」の3人(Guy以外は女性の声)から選べる……のだが、現時点では米国英語にのみ対応する悪意を持ったアプリの実行を抑止する「Smart Screen(スマートスクリーン)」は、機能強化されて「スマートアプリコントロール(Smart App Control)」という名称に変更される。スマートアプリコントロールは個人ユーザーや中小企業での利用を想定しているといい、アプリの危険性をAIモデルを利用してアプリが危険か否かを判定するという。
ただし、セキュリティを確保する観点からSmart App Controlは一度無効化すると二度と有効化できないようになっている。同様の理由で、既存のWindows 10/11からOSを更新した場合も、Smart App Controlは無効となる。一度無効化したSmart App Controlを再度有効にしたい場合、あるいは古いOSからのバージョンアップ後にSmart App Controlを利用したい場合は、Windows 11 2022 Updateをインストールし直す(≒OSの初期化を行う)必要がある。
Smart App Controlの有効/無効はWindowsセキュリティの設定画面から設定可能で、デフォルトではバックグラウンドでアプリの挙動を学習する「評価(Evaluation)モード」となる。この画面イメージにも書かれている通り、Smart App Controlは一度オフにするとクリーンインストールしない限り有効化にできないので注意しよう
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