MNL CITY PACKの主室/副室と外装にはたくさんのポケットがある。ガジェットを複数持ち運ぶ際に、ケーブル類などを収納するために別途ポシェット類を用意してるという人もいるかと思うが、本製品の場合はポシェット類を用意しなくても整頓しつつ収納可能だ。
特に、上部にある「トップファスナーポケット」、左右に“互い違い”に設置された「フロントファスナーポケット」、そして水筒やボトルを収納できる「サイドボトルポケット」はとても便利で、多用している。
ポケットは主室/副室内にあるものを含めて10個以上ある。これらをどう活用するかは、使う人次第だ。
トップファスナーポケットは、その名の通りMNL CITY PACKの上部にあるポケットだ。財布や名刺入れなど、頻繁に出し入れするものを入れておくと便利に使える。背中側の主室のファスナーが気になった人もいると思うが、これは雨などの水の浸入を防ぐ加工だバックパックを長時間背負っていると、肩の部分が痛くなったり、夏場だと背中が蒸れてしまったりしがちである。これらのデメリットを鑑みて、バックパックを使わないという人もいるくらいだ。
しかし、MNL CITY PACKは背面パッドの配置に工夫を施すことで背負った際の体への負担を軽減しつつ、背中に生じがちな蒸れを抑制している。蒸れは完全に抑制できる訳ではないが、一般的なバックパックと比べるとひどいことになりにくいことは確かだ。ショルダーバンドも工夫されているので、長時間背負っていても疲れにくい。
背負った際に背中と当たる部分は、本当によく考えられて作られている。筆者はエレコム製を含めてバッグパックをいろいろ買って使ってきたが、MNL CITY PACKの背面はエレコム製バックとしてナンバーワンのでき(他社製を含めてもトップクラス)だと思っている。なお、左右に分かれたクッションの間にあるのは、スーツケースに固定する際に使う特に都市部における満員電車に乗る際に、バックパックを背負っていると乗降の邪魔になったりすることもある。そこで前方で抱えたり手で持ったりすることもあると思うが、MNL CITY PACKは前抱えにも手持ちにも配慮された設計となっている。
手持ちするためのハンドル(持ち手)は上部と左右側面に付いており、「ハンドル、どこにあったっけ……?」と迷うこともない。とりあえず“持てる”というのは強い。
いろいろ“いいことずくめ”なMNL CITY PACKなのだが、個人的に困っていることもある。主室の収納能力だ。
本製品は約21Lと、まあまあ大きいのだが、PC気室がカッチリと作られているせいか、主室の“厚み”が若干足りないように感じる。というのも筆者は2〜3泊程度の出張や旅行では衣類や下着をバックパックに“詰め込む”ことが多いのだが、入れる衣類の種類にもよるのだが、普段使っていたエレコムの「off toco DGB-S043BK」(生産終了済み)からカメラパーティションを取り除いた時と比べてうまく収まらないのだ。
「もうちょっと厚みがあればうまく収まるのに……」とは思うものの、おそらくそうすると本製品の絶妙なバランス感が崩れてしまう気がしなくもない。1泊程度の衣類なら問題なく収まるので、2泊以上する場合はサブバッグを用意すればいいかなとも思う。
また、トップファスナーポケットやPC室内のアクセサリーポケットについて、入れるものによっては主室側に“出っ張ってしまう”のも気になる。前で抱えて主室から荷物を取り出す際に、若干困ってしまうのだ。
ここは設計上のトレードオフで、「こちらを立てればあちらが立たず」の典型例だといえる。バックパックの設計って、難しいのだなと改めて思う次第である。
トップファスナーポケットやアクセサリーポケットにあれこれ入れると、主室側に大きく出っ張り、主室にあるものが取り出しづらくなる場合がある。写真のように主室をパカッと開ければ問題ないものの、常にこうして開けられるわけではないので、悩ましい最後に筆者の使い方に起因する難点も挙げたものの、MNL CITY PACKは間違いなくエレコム製バッグパックの最高傑作だと思う。ビジネスでもプライベートでも(少し言い方を変えればオンでもオフでも)使いやすいバックパックというのは、それだけでもありがたい存在だ。
従来の同社製バッグパックと比べると、値は若干張るものの、特にPC室における浸水リスクを大きく軽減できている上に、背負っても疲れづらいし蒸れにくいのは本当に良い。一部の販路では売り切れ中だが、買える場所を見つけたら、今すぐにでも確保しておくべきだと考える。
願わくば再販を期待したいし、筆者のような「大荷物持ち」にも優しいバリエーションモデルが出てくれるとうれしいな、と思う大みそかなのであった。
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