オープニングセレモニーの終了後、軣社長から話を聞くことができた。新店舗の話だけではなく、マウスコンピューターの“これから”について、いくつか質問を行った。
新店舗の名称は「マウスコンピューター 春日部ダイレクトショップ プラス」だ。同社のダイレクトショップ(直営店)は全国に9カ所(ショップインショップと「G-Tune Garage」を含む)あるが、店舗名に“プラス”が付くのは、リニューアル前も含めてこの店舗が唯一だ。
なぜ春日部の店舗だけプラスが付くのか、軣社長に尋ねると「(春日部の店舗では)以前は中古品を扱うなど、他店舗で実施していないことを行っていた。また、ここ春日部は創業の地であり、今も近隣に修理センターあるなど、他店舗と異なることがある。PCを取り巻く環境が変わっていく中で、他の店舗にできないこと、マウスコンピューターにしかできないことを今後も模索しながらチャレンジしていくという可能性を“プラス”という言葉に込めている」という。
昨今のPC市場は「AI PC」「Copilot+ PC」といった新しい切り口の進化が見受けられる。一方で、2025年10月には「Windows 10」がサポート終了(EOS)を迎えることも、市場に大きな影響をもたらすと言われている。
昨今のPC市場について、軣社長は「『Windows 11』を搭載するPCに買い替えなければならないが、『事務用途にしか使わない』というユーザーに対して『最新のCPUが載った製品しかない』となると、コストに見合わない(という反応もありうる)。私たちはニーズに合った製品を用意し、流通(ディストリビューター)とも協力しながら提案し、Windows 11へのアップグレードも支援していきたい」とする。
また、AI PCについては「『最新のCPU/GPUを載せてAIに対応しました』ということではなく、メーカーとしてAIを活用できる製品を用意したいと考えている。オリジナルのソフトウェアを開発/提供することも含めて、まだ準備の段階だ。全てのPCはいずれAI PCになると思っているが、その時にしっかりと強みを発揮できる製品を送り出そうと考えている」とした。
軣氏が社長に就任してから7カ月が経過した。そこでインタビューの最後では「社長に就任してから取り組んできたこと」「これから社長として取り組みたいこと」について聞いてみた。
軣社長は「(社長就任後)お客さまに会いにいくことを心掛けてきた。これはこれからも続けていく。直接お会いして話を聞いた内容から、より満足いただける製品を送り出していきたい。実際に話を聞いてみると『(自分たちの製品は)まだまだだった』『メーカーとしての自己満足だった』と反省、勉強になったことも多い。もっと踏み込んだ、より高い製品力を備えるPCを世に送り出すべく、お客さまの声はもっと聞いていきたい」という。
今回、春日部ダイレクトショップ プラスのリニューアルオープンは“創業の地”を盛り上げる1日だったのかもしれないが、それ以上に、店名の「プラス」に秘めた思いの通り、「今」そして「これから」のPCを取り巻く環境、市場の変化に対応しながら、よりユーザーとの距離を近づけた新しいビジネスのスタートの1日になったように感じた。
マウスコンピューターの直営店舗「春日部ダイレクトショップ プラス」が2月1日午前11時にリニューアルオープン
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