瑞起がミニPC「X68000 Z2」をクラウドファンディング限定で販売 大型化で接続可能なデバイスが増加 ハイスペックモデルも 2台セットは最大68万円“X1 twin”みたいな「1台2役」化も可能

» 2025年02月07日 15時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 瑞起は2月6日、ミニPC「X68000 Z2」をクラウドファンディング形式で発売することを発表した。X68000 Z2には外観とスペックの違いから「X68000 Z SUPER」「X68000 Z XVI」の2モデルが用意されており、クラウドファンディングは「kibidango(きびだんご)」で実施され、2025年秋から順次出荷される。支援(販売)価格は以下の通りだ。

  • X68000 Z SUPER:5万9800円
    • X68000 Z SUPER本体、D-SUBジョイカード、システムディスクのセット
  • X68000 Z SUPER/XVIカスタムキット:7万4800円
    • X68000 Z SUPERのセットに「XVIメイン基板」「XVIパーツユニット」を付属
    • クレジットへの氏名掲載権も付帯
  • X68000 Z SUPER&X68000 Z XVI 2台セット:12万9800円
    • X68000 Z SUPER本体とX68000 Z XVI本体(完成品)に、D-SUBジョイカード、システムディスクを付属
    • クレジットへの氏名掲載権も付帯
  • X68000 Z SUPER&X68000 Z XVI 2台セット(プレミアム筐体):68万円
    • 上記の2台セットのボディーをアルミ削り出しの「プレミアム筐体」に変更
    • クレジットへの氏名掲載権を付帯
    • 限定プレートへのメッセージ刻印あり
  • D-SUBジョイカード:6800円
    • X68000 Z SUPER/XVIのD-Sub端子に接続するコントローラー(パッド)
    • 本体セットに1つ付属
  • Nano ITX Intel N305マザーボード:4万9500円
    • X68000 Z SUPER/XVIの本体に組み込めるPCマザーボード
    • CPUは「Core i3-N305」(Eコア8基8スレッド)
    • DDR4-3200規格の8GB SO-DIMMとPCI Express接続の256GB SSDが装着済み
  • Nano ITX Intel Core i5-12450Hマザーボード:6万4000円
    • X68000 Z SUPER/XVIの本体に組み込めるPCマザーボード
    • CPUは「Core i5-12450H」(Pコア4基8スレッド+Eコア8基8スレッド)
    • DDR4-3200規格の16GB SO-DIMMとPCI Express接続の512GB SSDが装着済み

2モデル 2025年秋頃に登場予定の「X68000 Z SUPER」(左)と「X68000 Z XVI」(右)

X68000 Z2の概要

 X68000 Z2は、シャープがかつて発売したPC(パーソナルワークステーション)「X68000」を現代のハードウェアを使って“復刻”すべく瑞起が立ち上げた「Project Z」の第4弾として登場する。先述の通り、ボディーデザインとスペックの異なる2モデルが用意されている。

X68000 Z SUPER:ボディーを大型化 インタフェースも拡充

 X68000 Z SUPERは、その名の通り「X68000 SUPER」の外観を模して作られたミニPCだ。X68000 SUPERといえば初めて「チタンブラック」カラーを採用したモデルだが、本機のボディーカラーもチタンブラックとなる。

X68000 Z SUPER X68000 Z SUPER

 ハードウェアの基本スペックは既に製品版に移行済みの「X68000 Z」と基本的に同様だが、ボディーサイズが約97(幅)×169(奥行き)×226(高さ)mmと約1.5倍に大型化されている。この大型化に伴い、新たに以下のポートが追加された。

  • 背面
    • MIDI端子×3(入力/出力/スルー各1基)
    • SCSI端子×1(ハーフピッチ50ピン)
    • USB 2.0 Standard-A端子×1(既存のものと合わせて5基)
    • Nano-ITXポート×1
    • D-Sub端子(コントローラー用)×1
  • 正面
    • ヘッドフォン端子×1
    • D-Sub端子(コントローラー用)×1)
    • USB 2.0 Standard-A端子×1(カバーで隠されている)

 本製品にはMIDIボードのエミュレーション機能が実装されており、新設されたMIDI端子を通してMIDIデバイスを接続できる(※1)。SCSI端子の実装は不明だが、SCSI接続のHDDを接続できるようになると思われる。

(※1)MIDIデバイスはUSB端子やUART端子経由でも接続可能

 Nano-ITXポートにはNano-ITX規格のPCマザーボードを組み込むことが可能で、Windowsとのデュアルブートも可能だ。瑞起純正でもCore i3-N305またはCore i5-12450Hを搭載する瑞起純正マザーボードも購入できる。

 加えて、本製品はWi-Fi(無線LAN)通信機能も備えている。ただし、通信規格については現時点では明記されていない。

本体 本体が約1.5倍に大型化したこともあり、ポート類が増えている。Nano-ITX規格のマザーボードも組み込み可能で、ある意味で「X1 combo」あるいは「テラドライブ」のような“1台2役”なPCとすることも可能だ
MIDIポート MIDIボードのエミュレーション機能を搭載することで、MIDI/USB/UART各端子を通してMIDIデバイスを接続できるようになった

X68000 Z XVIの概要

 X68000 Z XVIは、その名の通り「X68000 XVI」の外観を模して作られたミニPCだ。基本的にはX68000 Z SUPERからメイン基板と一部外装部品(フロントパネル/天板/パワースイッチ)を換装したモデルという位置付けで、今回のクラウドファンディングにあるカスタムキットはX68000 Z SUPERのセットに交換用のメイン基板と一部外装部品を付属したものとなる(2台セットについては、X68000 Z SUPERとは別にX68000 Z XVIの“完成品”が付属する)。

X68000 Z XVI X68000 Z XVIは、X68000 Z SUPERからメイン基板と一部外造部品を交換したものだ。カスタムキットには交換用のメイン基板と一部外造部品が付属する

 SoCはCPUコアがCortex-A55×8基(最大2GHz)、GPUコアがMali-G57で、RISC-Vプロセッサ(最大200MHz)も搭載しているという。メインメモリ(DDR4規格)は512MBから1GBに倍増している。これにより、X68000エミュレーションの動作クロックが10MHzから16MHzに引き上げられる。

基板交換 交換部位
スペック比較 X68000 Z/Z2シリーズのスペック比較

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