“オールIntel”なPCはいかが? ドライバが成熟した「Arc A750」は、AAAタイトルをWQHDで快適にプレイできて2万円台も狙える高コスパGPU(2/2 ページ)

» 2025年02月12日 15時00分 公開
[Yukito KATO,ITmedia]
前のページへ 1|2       

CPUは旧世代だが、PCパーツ代約12万円で組めるゲーミングPCの実力はいかに……?

 Intel Arc A750の外観チェックはこれくらいにして、ここからはベンチマークテストを実行してIntel Arc A750の実力に迫っていこう。

 なお、今回ベンチマークテストを行うゲーミングPCの構成は以下の通りだ。

テストPCの構成

  • CPU:Intel Core i5-12400F
  • CPUクーラー:SCYTHE 虎徹 MARK3
  • マザーボード:ASUS TUF GAMING H770-PRO Wi-Fi
  • メモリ:Corsair CMK64GX5M2B5600C40
  • グラフィックスカード:Intel Arc A750 Limited Edition
  • SSD:WD 1TB Black SN750
  • 電源ユニット:玄人志向 KRPW-GK650W/90+

 CPUは第12世代と、3世代前のCPUではあるが、WQHDで165Hzのゲーミングディスプレイを使うのであれば十分だと考えて流用した。

 Intel Arc A750を特価の1万9800円で購入した場合、ケースを除くパーツ代の合計が約12万円で組める。スコア次第では、お財布に優しい第三の選択肢になりそうだ。

 「CPUとGPUをオールIntelで構成したゲーミングPCはどの程度パフォーマンスを発揮できるのだろうか」とワクワクしながら組み上げたので、早速ベンチマークテストを実行して実力をチェックしてみた。

3DMark

 まずは3Dグラフィックス性能を測れる「3DMark」の結果を確認していこう。ベンチマークスコア比較の参考値として、筆者のメインマシンのベンチマークテスト結果もあわせて記載しているので参考にしてほしい。結果は以下の通りだ。

ベンチマークテスト比較用PCの構成

  • CPU:Intel Core i7-13700KF
  • CPUクーラー:玄人志向 KURO-AIOWC240
  • マザーボード:ASRock Z690 Extreme WiFi 6E
  • メモリ:Crucial CT32G4DFD832A.M16FF
  • グラフィックスカード:Sapphire RX 7700 XT
  • SSD:SOLIDIGM P44 Pro 2TB
  • 電源ユニット:Seasonic FOCUS GX-850 ATX 3.0 SSR-850FX3

Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)

  • Intel Arc A750:1万1747ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:1万5835ポイント

Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)

  • Intel Arc A750:5599ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:7507ポイント

Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)

  • Intel Arc A750:2万1544ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:2万7425ポイント

Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/WQHD描画)

  • Intel Arc A750:1万3ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:1万7910ポイント

Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)

  • Intel Arc A750:5236ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:9817ポイント

Steel Nomad(DirectX 12 feature level 12.0ベース/4K描画)

  • Intel Arc A750:2634ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:3207ポイント

Speed Way(DirectX 12 Ultraベース/4K描画)

  • Intel Arc A750:2336ポイント
  • AMD Radeon RX 7700 XT:3066ポイント

 まずはDirectX 12ベースのベンチマークテスト、Time SpyとSteel Nomadのテスト結果から見てみよう。

 比較対象のAMD Radeon RX 7700 XTは、Intel Arc A750の対抗モデルの一つ上のモデルとなるため、結果に大きな差が生まれるのではないかと考えていた。しかし、結果としてはTime Spyは約74.4%、Steel Nomadは約82.1%と、想像していたより奮闘している結果となった。

 DirectX 12に最適化されたゲームも最近ではどんどん増えてきているため、これから新しいゲームをプレイする方にとっては、思わぬ収穫となる。

 続いて、DirectX 11ベースのFire Strikeのスコアを見てみると、フルHD描画までであれば、Radeon RX 7700 XT比で約78.6%となった。DirectX 12ベースのテストとほぼ同じパフォーマンスを発揮できていたが、WQHD描画以上になるとガクッと値が落ち込み、Radeon RX 7700 XT比で約54.6%と結果が奮わなかった。

 発売当初は「DirectX 9やDirect X11への最適化が不十分だった」という話もあった。ドライバのアップデートがあったからとはいえ、まだ少し見劣りしているのが正直なところだ。

 例えば、VALORANTはDirectX 11ベースで動作していることもあるため、もう少し最適化が進むことを期待したい。

 最後にDirectX12 UltraベースのSpeed Wayの結果を見てみよう。Speed Wayは、DirectX Raytracing Tier 1.1を使用してレイトレーシングの性能をベンチマークできるため、「Intel Arcのレイトレーシングには少し弱い」という話が本当なのか実際に手元でテストしてみた。

 結果としては、Radeon RX 7700 XT比で約76.2%のパフォーマンスが発揮されており、イメージしていたよりはレイトレーシングを有効化したゲームもそれなりに快適にプレイできるのではと感じられる結果となった。

 この結果を基に、実際のゲームのベンチマークテストでIntel Arc A750のパフォーマンスを深掘りしていこう。

photo 3DMarkベンチマークテスト結果

Cyberpunk 2077

 今回はAAAタイトルかつレイトレーシングを使ったベンチマークテストもできる「Cyberpunk 2077」のベンチマークテストを実行し、AAAタイトルがどの程度快適にプレイできるのか確認してみた。プリセットごとの結果は以下の通りだ。

 なお、どちらの環境もWQHDでベンチマークテストを実行している。

ウルトラ

  • Intel Arc A750:68.59FPS
  • AMD Radeon RX 7700 XT:90.73FPS

レイトレーシング:低

  • Intel Arc A750:69.42FPS
  • AMD Radeon RX 7700 XT:89.52FPS

レイトレーシング:中

  • Intel Arc A750:47.5FPS
  • AMD Radeon RX 7700 XT:58.07FPS

レイトレーシング:ウルトラ

  • Intel Arc A750:39.16FPS
  • AMD Radeon RX 7700 XT:50.03

レイトレーシング:オーバードライブ

  • Intel Arc A750:10.76FPS
  • AMD Radeon RX 7700 XT:24.04FPS

 こうして結果を見てみると、レイトレーシング:オーバードライブ以外のプリセットについては、AMD Radeon RX 7700 XT比で平均約78.3%のフレームレートでプレイできており、Intel Arcはレイトレーシングに弱いというイメージが若干崩れた。

 Cyberpunk 2077はVALORANTやApex Legendsのような競技性の高いゲームと違い、30FPS以上で動作していれば快適にプレイできるようになっている。それを踏まえると、WQHDでレイトレーシング:ウルトラプリセットに設定しても、Intel Arc A750を搭載したテストPCであれば、快適にプレイできそうだ。

photo Cyberpunk 2077ベンチマークテスト結果

意外とすごいぞ、Intel Arc A750

 つくづく発売当初のイメージの悪さがA750をはじめとしたIntel Arcシリーズの足を引っ張っているなと感じさせる。

 Intel Arc A750でも、AAAタイトルゲームをWQHDで快適にプレイできるのであれば、セール価格で2万円を切るIntel Arc A750はお財布に優しい優秀なゲーム用GPUといえるのではないだろうか。

 購入当初は周囲の友人から、「オールIntelでゲーミングPCを組んでみてほしい」と言われ、半ば人柱を覚悟して組み上げてみたのだが、結果としては優秀なゲーミングPCとして活躍してくれそうでひと安心した。

 もしゲーミングPCをこれから組もうとしている方は、NVIDIA GeForce RTXシリーズやAMD Radeonシリーズにこだわるのではなく、Intel Arcシリーズも検討の候補に加えてみてはいかがだろうか。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー