ミドルレンジ期待の新星となるか? 「Intel Arc A580」搭載グラフィックスカードを試して分かったこと(1/3 ページ)

» 2023年10月10日 22時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Intelは10月10日(米国太平洋時間)、新しいGPU「Intel Arc A580 Graphics」を発表した。同GPUを搭載するグラフィックスカードはASRock、GUNNIRおよびSparkle Computerから近日中に発売される予定だ。米国における想定販売価格は179ドル(約2万6700円)となる。ASRockが販売する「Arc A580 Challenger 8GB OC」については、日本でも10月13日に発売される予定で、想定販売価格は3万4800円(税込み)となる。

 本記事では、同GPUの概要と共に、Arc A580 Challenger 8GB OCを通して“実力”をチェックしていく。

Sparkle Sparkle Computerから発売される予定の「Arc A580 ORC OC」
ASRock ASRockから発売される予定の「Arc A580 Challenger 8GB OC」

Arc A580の概要

 Intel Arc A580 Graphics(以下「Arc A580」)は、Intelのゲーミング向けGPU「Intel Arc A Graphics」シリーズのデスクトップ向けミドルレンジモデルという位置付けとなる。

 同シリーズのデスクトップ向けでは、ハイエンドの「Intel Arc A770 Graphics」「Intel Arc A750 Graphics」と、エントリーの「Intel Arc A380 Graphics」「Intel Arc A310 Graphics」はリリース済みだったが、ミドルレンジは“初登場”となる。

 Arc A580の主な仕様は以下の通りだ。

  • GPUダイのモデル名:ACM-G10(レンダースライス6基)
    • Xeコア(演算ブロック):24基(4基×6)
    • レイトレーシングユニット:24基(4基×6)
    • XMXエンジン:384基(64基×6)
    • 稼働クロック:1.7GHz(定格)
    • L2キャッシュ:24MB
  • Xe Media Engine(XME):2基
    • マルチフォーマットコーデックエンジン(MFX)×4(2基×2)
    • Xe Display Engine:4画面出力対応
  • グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/256bit幅)
  • 映像出力:DisplayPort 2.0×3+HDMI 2.0b×1
  • 接続バス:PCI Express 4.0 x16
  • 消費電力:185W
    • GPU補助電源ピン:8ピン×2

 本GPUは、DirectX 12 Ultimate/Vulkanを使った、フルHD(1080p/1920×1080ピクセル)のゲーミングに最適化されている。また、XMEに内包されたMFXは、H.264(MP4)/H.265(HEIC)/AV1/VP9のハードウェアエンコードに対応しているため、動画作成アプリや配信システムにおけるCPUの負荷の軽減を図れる。

ブロックダイヤグラム Arc A580のブロックダイヤグラム
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