突然だが、「自宅などに据え置いて使う、パワフルなデスクトップPCってどんな感じ?」と聞かれて、皆さんはどのようなものを思い浮かべるだろうか。LED装飾の有無はさておき、多くの人は大きなタワー型ボディーを思い浮かべるだろう。
だが「AAAゲームや動画編集のためにパワフルなPCは欲しいけど、大きなボディーを置く空間がなくて……」という人もいるだろう。そんな人にお勧めなのが、インテルが2022年12月末に発売した「Intel NUC 13 Extreme Kit」(開発コード名:Raptor Canyon)だ。
今回、NUC 13 Extreme Kitの最上位モデル「NUC13RNGi9」(税込み実売価格25万円弱)を「Intelお勧めの構成」で試す機会を得た。果たして、その実力やいかに……?
なお、NUC 13 Extreme Kitはメモリ、ストレージ(HDDまたはSSD)、グラフィックスカード(必要に応じて)とOSは別売となる。今回はIntelがレビュー用に付属したものをそのまま利用しているのでご了承いただきたい。
Intel NUCの「NUC」は、「次世代のコンピューティング(Next Unit of Computing)」の略である。簡単にいうとIntelが技術的なショーケースを兼ねて開発したPCで、現在の主要なラインアップは以下の通りだ。
Intel NUCは、Intelが開発したCPUやネットワークチップなどを使って「こんなことができますよ!」と提案するためのショーケース的な意味合いのあるPCだ。NUC KitやNUC Laptopキットを活用してオリジナルPCを展開するPCショップもある(NUCに関する詳細情報)NUC 13 Extreme Kitは、NUC Kitの新製品として2022年12月末に発売されたベアボーンキットで、デスクトップ向け第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake-S)のアンロック対応モデルを標準装備したエンスージアスト向け製品である。2023年2月現在、以下の3モデルが用意されている。
搭載するCPU以外の基本的スペックは共通している。ボディーサイズは約129(幅)×318(奥行き)×337(高さ)mmで、容積に換算すると14L弱となる。搭載しているCPUの割にかなりコンパクトな印象だが、これでもフルサイズ(最長313mm)かつ3スロット必要なグラフィックスカードを搭載できる。グラフィックスカードの脱着は、本体底面のパネルを取り外せばよい。
CPUの冷却方法は“空冷”である。水冷ユニットを搭載するとNUCのメリットの1つであるコンパクトさが損なわれることはもちろんだが、アンロック機能を使ってオーバークロックを実施しても、ある程度までなら空冷でも十分に冷やせるという判断からこのようになったという。なお、ヒートシンクと空冷用のファンはオリジナルのものを搭載している。
マザーボードは「Compute Unit」としてモジュール化されており、チップセットは「Intel Z690」となる。
マザーボードは「Compute Unit」としてモジュール化されており、説明書をよく読めばボディーから取り外せる。M.2 SSDをを搭載する場合は、Compute Unitを取り外してから作業する必要があるメモリはDDR5規格のSO-DIMMを2枚搭載できる。最大容量は64GB(32GBモジュール×2)だ。動画編集用途なら「もうちょっと欲しい」と思う人もいるかもしれないが、4K(3840×2160ピクセル)動画であれば、64GBもあれば十分といえば十分かもしれない。
今回のIntelお勧め構成では、Kingstone製の32GBモジュールが2枚搭載されていた。
ストレージはM.2 SSDを最大3枚(うち1枚はCPU直結でSerial ATA接続に非対応)、Serial ATA接続の2.5インチ/3.5インチストレージを最大4台搭載可能で、RAID 0/1にも対応している。ただし、2.5インチ/3.5インチストレージの収納スペースは限られているので、搭載する際は注意しよう。
今回のIntelお勧め構成では、Kingstone製の「1000G Kingston FURY Renegade PCIe 4.0 NVMe M.2 SSD」(SFYRS/1000G)が搭載されていた。
M.2 SSDはCompute Unitを取り外して取り付ける。ふたにヒートシンクも付いているので、M.2 SSDは「ヒートシンクなし」のものを選ぼう(ふたが閉まっている「スロット1」がCPU直結で、よりパフォーマンスが高い)
2.5インチ/3.5インチストレージの収納スペースは用意されているものの、2.5インチストレージなら最大2台、3.5インチストレージなら最大1台分しかないので注意したい。ちなみに2連の120mmファンは、交換可能な設計となっている
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