容積14Lで空冷だけどパワフル! Core i9-13900K搭載でコンパクトな「Intel NUC 13 Extreme Kit」を試す(4/4 ページ)

» 2023年02月10日 17時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
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3DMark

 続けて、PCの3Dグラフィックスの総合ベンチマークテスト「3DMark」で主要なテストを一通り実行してみよう。各テストの総合スコアは以下の通りとなる。

  • DirectX 11ベース
    • Fire Strike(フルHD):3万7807ポイント
    • Fire Strike Extreme(WQHD):2万3323ポイント
    • Fire Strike Ultra(4K):1万2570ポイント
  • DirectX 12ベース
    • Time Spy(WQHD):1万8897ポイント
    • Time Spy Extreme(4K):1万54ポイント
  • DirectX 12 Ultimate/レイトレーシング
    • Port Royal:1万2968ポイント
    • Speed Way:5179ポイント

 Core i9-13900KとGeForce RTX 3080 Tiを搭載するPCとしては順当なスコアといえるだろう。描画解像度が4K(3840×2160ピクセル)でも、そこそこ高いスコアを記録しているのだが、「もしもGPUがGeForce RTX 40シリーズだったらどうなったのだろうか?」という思いも湧いてくる。

 ともあれ、これだけの性能があれば、ハイエンドなAAAゲームも十分に楽しめるだろう。

3DMark 3DMarkの結果
カードの寸法 参考情報として、NUC 13 Extreme Kitに搭載できるPCI Expressカードの寸法要件を掲載する。この要件を満たせば、GeForce RTX 40シリーズを備えるグラフィックスカードも搭載可能だ

FF14/FF15ベンチマーク

 実際のゲームベースのベンチマークテストとして、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。

 描画解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4Kの3種類で、FF14ベンチマークは「最高品質」、FF15ベンチマークは「高品質」のフルスクリーン表示でテストした。結果は以下の通りである。

  • FF14ベンチマーク(最高品質)
    • フルHD:3万3941ポイント(非常に快適)
    • WQHD:2万8083ポイント(非常に快適)
    • 4K:1万6933ポイント(非常に快適)
  • FF15ベンチマーク(高品質)
    • フルHD:1万8595ポイント(非常に快適)
    • WQHD:1万4287ポイント(非常に快適)
    • 4K:8800ポイント(とても快適)

 さすがに4K解像度ではポイントが落ち込むものの、3DMark同様にデバイスを考えると順当なスコアではある。「もう1ランク上のグラフィックスカードを搭載したい」という衝動に駆られる人もいるかもしれないが、サイズと電源容量的に難しい。

 しかし、このスペックでもかなり強力な構成であることには変わりなく、ボディーのサイズや空冷であることを考慮に入れると「よくぞここまで」という印象もある。

FF14ベンチマーク FF14ベンチマークの結果
FF15ベンチマーク FF15ベンチマークの結果

Procyon Professional Benchmark(動画編集)

 これだけパワフルなのだから、動画編集もパワフルなはず――そこで、ULのベンチマークスイート「UL Procyon Professional Benchmark」から、Adobe Premiere Proのパフォーマンスをチェックする「Video Editing Benchmark(動画編集ベンチマーク)」を実行してみよう。

 このテストでは、Premiere Proで2種類の動画プロジェクトをインポートし、それぞれのプロジェクトで「H.264形式でのフルHD動画のエクスポート」「H.265形式での4K動画のエクスポート」にかかった時間からスコアを算出する。結果は以下の通りだ。

  • 総合スコア:9004ポイント
  • H.264形式/フルHD動画のエクスポート
    • プロジェクト1(重量):430.173秒(約7分)
    • プロジェクト2(軽量):16.68秒
    • H.265形式/4K動画のエクスポート
    • プロジェクト1(重量):2670.332秒(約45分)
    • プロジェクト2(軽量):47.666秒

 このテストは、PCのスペックによっては完了までに1時間以上かかることも珍しくない。所要時間が1時間を切るだけでも、そこそこにハイスペックなPCである証明となる。現時点では総合スコアで9000ポイントを超えるPCもそれほど多くない。

 そう考えると、NUC 13 Extreme Kit(NUC13RNGi9)は動画編集PCとして最適な選択肢の1つといえるだろう。

Procyon Procyon Professional Benchmark(動画編集)の結果

M.2 SSDのアクセス速度(CPU直結)

 ものはついで、ということで今回のテストキットに付属していた1000G Kingston FURY Renegade PCIe 4.0 NVMe M.2 SSDのアクセス速度を、「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測してみた。このSSDは、M.2スロット1(CPU直結)に接続されている。

 シーケンシャル(連続)の読み書き速度(SEQ1M Q8T1)の速度は以下の通りだ。

  • 読み出し:毎秒7105.40MB
  • 書き込み:毎秒6134.21MB

 カタログスペックでは「毎秒7300MBの読み出し、毎秒6000MB書き込み」とのことなので、定格スペックはおおむね引き出せているようだ。

CDM CrystalDiskMarkの結果

消費電力はどう?

 NUC 13 Extreme Kit(NUC13RNGi9)は結構パワフルなのは分かった。問題は消費電力である。Core i9-13900Kの消費電力は125W(定格)〜253W(ターボパワー)、GeForce RTX 3080 Tiの消費電力は、メーカー純正の「Founders Edition」(日本未発売)で350Wである。単純に足し算をするとCPUとGPUだけで最大で603Wを消費することになる。果たして、750Wの電源で足りるのだろうか……?

 そこで市販のワットチェッカーを用意して、アイドル時とピーク時の消費電力を比較してみることにした。「アイドル時」はOSの起動から10分した後の消費電力を、「高負荷時」はFF15ベンチマークを4K/高画質で実行した際の最高消費電力を取っている。結果は以下の通りだ。

  • アイドル時:46W
  • ピーク時:555W

 単純合算したCPUとGPUの最大消費電力よりは抑えられているものの、結構な消費電力であることには変わりない。USB機器を多数つないだ場合は、かなりギリギリの攻防を強いられそうである。ただし、そこまで深刻に容量が足りないという状況でもない。コンセプト的に「必要十分な電力」を逆算した結果が、750W電源ということなのかもしれない。

消費電力 消費電力は、アイドル状態でもミドルレンジのノートPCの最大消費電力と同じくらいである。高負荷な処理をすると、消費電力は555Wまで上がった

「コンパクトなのにパワフル」が欲しい人にお勧め!

 Intel NUC 13 Extreme Kitは、先代の「Intel NUC 12 Extreme Kit」(開発コード名:Dragon Canyon」と比べるとボディーサイズが約2倍である。その代わり、搭載できるグラフィックスカードのサイズが大きくなり、よりパワフルな構成を志向できるようになった。見た目もおとなしくなったこともあり、ビジネス用途でも使いやすい。

 「ボディーサイズが約2倍」とはいうものの、一般的なハイエンドのゲーミングデスクトップPCやクリエイター向けデスクトップPCと比べるとコンパクトである。小型でパワフルなデスクトップPCを探している人にもお勧めだ。

 不安要素を1つだけ挙げるとすると本体の冷却である。CINEBENCH R23の結果を見ると分かる通り、水冷式のシステムと比べると特にマルチコア性能は低く出てしまう。致命的な差ではないとはいえ、空冷オンリーゆえの弱みである。

 パワフルなCPUがあらかじめ搭載されていて、強めのグラフィックスカードを搭載できて、わずか16Lの容積――CPUの開発元が自ら設計したこそ実現できた“唯一無二”な製品であることは間違いない。「ゲームや動画編集をしたいけれど、パソコン置く場所がなぁ……」という人は、NUC 13 Extreme Kitをチェックしてみよう。繰り返しだが、メモリ、ストレージ、グラフィックスカードとOSは別売なので、予算を組む際は気を付けよう。

主な仕様 NUC 13 Extreme Kitの主な仕様
主な仕様 NUC 12 Extreme Kitとの比較
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