まさかのXeon搭載NUC「Intel NUC 9 Pro」はGPUを選べる頼れるヤツだった新たなNUCの道(1/4 ページ)

» 2020年06月18日 12時45分 公開
[松野将太ITmedia]

 2020年1月の「CES 2020」に合わせて、Intelが新型のNUC(Next Unit of Computing)を披露したことを覚えている人も多いだろう。

 従来製品に比べボディーが若干大型化した反面、新たにPCI Expressスロットを備えることで性能と拡張性を高めた新型NUCは、第9世代Coreプロセッサを備えたゲーミング向けモデルが“Ghost Canyon”、Xeonプロセッサなどを搭載するワークステーション向けモデルが“Quartz Canyon”の開発コード名で呼び表される。どちらもベアボーンキットとして提供されるが、国外の一部地域では、既に市場投入が始まっているようだ。

NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX Xeonプロセッサを搭載したIntel NUC

 今回取り上げる「Intel NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX」(以下、NUC 9 Pro Kit)のレビューキットは、CPUにXeon E-2286Mを搭載したワークステーション向けNUCだ。日本発売前の製品ではあるのだが、内部構造やベンチマークによる性能チェックを実施しているので、参考になれば幸いだ。

CPUは8コア16スレッドのXeonでグラフィックスカードも搭載可

NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 「NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX」

 このNUC 9 Pro Kitは、CPUにCoffee Lake Refresh(開発コード名)ベースの「Xeon E-2286M」を搭載するベアボーンキットだ。NUCとしては初のワークステーション向けモデルであり、Xeonプロセッサを搭載するモデルもこれが初めてとなる。

NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 前面部分に電源ボタンとSDXC対応カードリーダー、USBポートが並ぶ
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX Xeonプロセッサを内蔵することを示すシールも貼られている
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 天面には専用のデュアルファンクーラーが装着されている
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 天面と側面は通気性を考慮したメッシュデザインを採用する。NUCのハイエンドモデルに見られるスカルマークは見当たらない
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 背面からは後述する「Compute Element」のインタフェース類にアクセスできる
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX ボディーの下部に見えるのは電源ユニットだ

 NUCといえば、手のひらサイズの正方形小型ボディーをイメージするユーザーも多いと思うが、本製品はおよそ約96(幅)×238(奥行き)×216(高さ)mm、容積は約5Lのボディーを採用し、デスクトップPC向けのグラフィックスカードなどを搭載可能になっている。

 従来のゲーミング向けNUC“Skull Canyon”“Hades Canyon”のコンセプトをさらに推し進め、極端な小型化よりも一般的なデスクトップPC以下のサイズで、高い性能と拡張性を実現する方向にカジを切った製品ということなのだろう。ちなみに同じQuartz Canyonの製品としては、vPro対応のモバイルCPU「Core i7-9850H」を採用した「NUC9V7QNX」も用意されている。

NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX 背面上部のネジ2本を外し、上部のクーラーとサイドパネルを取り外すことで内部にアクセスできる。両側面のパネルはどちらもスライドさせるだけで取り外し可能だ
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX レビューキットでは、Quadro P2200を搭載したグラフィックスカードが装着されていたが、実際のベアボーンキットでは付属しない
NUC 9 Pro Kit NUC9VXQNX CPUを内蔵するカード型モジュールユニット「Compute Element」。メモリとストレージを装着し、シャシー内のベースボードに差し込むことで動作する

 続いて、内部構造を見ていこう。

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