AMDのRadeon 3兄弟で「モンハン:アイスボーン」はどこまで楽しめる?(1/4 ページ)

» 2020年02月14日 12時00分 公開
[松野将太ITmedia]

 AMDは1月21日、新たなミドルレンジGPU「Radeon RX 5600 XT」を販売開始した。2019年から販売中の「Radeon RX 5700 XT」「Radeon RX 5700」「Radeon RX 5500 XT」と合わせ、これで7nmプロセス世代のRX 5000シリーズが出そろったことになる。いずれもアーキテクチャを従来の「GCN」から、ゲームへ最適化した「RDNA」に刷新することで、ゲーム描画時のパフォーマンスを強く意識しているのが特徴だ。

Radeon 5000 “NAVI”世代の「Radeon RX 5000」シリーズ。最新アーキテクチャ「RDNA」の採用、PCI Express 4.0対応などを盛り込んだ、7nmプロセスのGPUだ

7nmプロセス世代のRX 5000シリーズが出そろう

 それぞれのターゲットとしては、上位2モデルのRadeon RX 5700 XTとRadeon RX 5700がWQHD解像度(2560×1440ピクセル)でのPCゲーミング、Radeon RX 5600 XTおよびRadeon RX 5500 XTがフルHD(1920×1080ピクセル)でのゲーミングを想定した性能を備えるとしている。エントリーからミドルハイクラスまでを幅広くカバーするラインアップで、どれを買うべきか悩んでいるという人も多いのではないだろうか。

 折しも、1月にはカプコンの大人気ゲーム「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のPC版がリリースされており、話題を呼んでいる。ゲーム自体の注目度はもちろん、Radeon RX 5500 XT搭載グラフィックスカード購入者にゲームがプレゼントされるバンドルキャンペーンが展開されたこともあって、Radeonユーザーの注目度も高いだろう。

 ここでは、モンスターハンターワールド:アイスボーンの快適さを、Radeon RX 5700 XT、Radeon RX 5600 XT、Radeon RX 5500 XTの3つのグラフィックスカードでチェックする。解像度や画質別に、どの程度のフレームレートで楽しめるかを検証してみよう。

Radeon 5000 NAVIアーキテクチャの詳細(Radeon RX 5700 XTの公式資料から)。「Vega 56」などの既存GPUからゲーミングパフォーマンスを向上させ、WQHD解像度での60fpsや90fps達成を狙いやすくした
Radeon 5000 7nmプロセスの採用により性能をアップさせつつ、ダイサイズも小型化したことが示されている(Radeon RX 5500 XTの資料より)

ボリュームも充実の人気作モンスターハンターワールド:アイスボーン

Radeon 5000 「モンスターハンターワールド:アイスボーン」

 モンスターハンターワールド:アイスボーンは、2018年にリリースされ人気を博したハンティングアクションゲーム「モンスターハンター:ワールド」の大型拡張コンテンツだ。注意点として、本作はあくまでも拡張コンテンツという位置付けであり、モンスターハンター:ワールド本編以降のストーリーが描かれるため、追加コンテンツを堪能するためにはモンスターハンター:ワールド本編を終わらせている必要がある。

 シリーズの醍醐味(だいごみ)ともいえる、多様な武器を利用した大型モンスターの狩りを、最大4人でのオンラインマルチプレイで楽しめるゲーム性はこれまで通りだ。アイスボーンにはモンスターハンター:ワールドには登場しなかったモンスターが多数追加されている他、雪深い台地と氷に包まれた新フィールド「渡りの凍て地」、モンスターに射出することで遠距離から取りつける新たな標準装備「クラッチクロー」といった新要素を含んでいるため、これまでとは一味違うプレイフィールを味わえるのは1つのポイントになるだろう。

 加えて、発売後も引き続きモンスター追加などの大型アップデートが提供され、4月以降のアップデートでは、PlayStation 4版(2019年に先行して販売済み)とPC版のアップデート提供スケジュールが同期され、新モンスターとの戦闘などを真っ先に楽しめるようになる。モンスターハンター:ワールドからの膨大なコンテンツを引き継ぎつつ、月ごとのアップデートを待つことで、さらに長く遊べる、まさに一大ボリュームを誇るタイトルとなっているわけだ。

Radeon 5000 最大4人でのマルチプレイで共闘できる楽しさが人気につながった「モンハン」シリーズ。「アイスボーン」では歯ごたえのあるモンスターが多数追加され、作成できる武器や防具も増えている

 PC版に関して言えば、今回の拡張コンテンツの実装に合わせ、Windows 10向けのAPI「DirectX 12」の有効化など、オプション設定に複数の項目が追加されている。細かいグラフィックス項目を調整できるのは従来通りだが、新たに「Capsule AO」「コンタクトシャドウ」「雪品質」「FidelityFX CAS」といった項目が用意され、より幅広い設定が可能となった。

 また、PC向けの超高解像度テクスチャ「High Resolution Texture Pack」をダウンロードしてゲーム内に適用できる点、画面比率21:9のウルトラワイドディスプレイを利用できるといった点もPC版だけのメリットとなる。

 High Resolution Texture Packは、ストレージに約30GBもの追加容量が必要になり、適用するとグラフィックスメモリの使用量が増大するといった制限はあるが、通常設定を超えるリッチなグラフィックスでのプレイを求めるのであれば有用な設定だ。ウルトラワイドディスプレイは使用することで横方向の情報量が多くなるため、モンスターの狩りに有利となる。4KやHDRといった設定の幅広さも含め、PlayStation 4版よりも選択肢に富んでいるのがPC版の魅力と言えるだろう。

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