テストに入る前に、使用するグラフィックスカードについて解説しておこう。
Radeon RX 5500シリーズは、いずれも7nmプロセスで製造され、PCI Express 4.0接続に対応しているのが大きな特徴となる。
PCI Express 4.0に関しては、現状では基本的にAMD X570チップセット搭載マザーボードと第3世代Ryzen CPUとの組み合わせで有効となるものの、既に十分な帯域を備えるPCI Express 3.0利用時との速度差はないため、他のプラットフォームでも問題なく利用可能だ。その他、AMD独自の画面同期機能「FreeSync」は引き続き採用しつつ、対応ゲームタイトルの画質を向上させる「Radeon Image Sharpening」「FidelityFX」、ゲームの操作が反映されるまでのラグを短縮する「Anti-Lag」といった機能も利用できる。
まず、Radeon RX 5700 XT搭載のグラフィックスカードは、AMD純正のリファレンスモデルを使用した。国内では市場に流通していない製品だが、リファレンス仕様のカード自体は複数のベンダーから販売されているため、同等品を入手すること自体は可能だ。演算ユニット40基、ストリーミングプロセッサ数2560基で、ゲームクロックは最大1755MHz、ブーストクロックは最大1905MHzとなる。VGAクーラーのファンはブロワータイプで、1基のみを搭載する。
Radeon RX 5600 XT搭載のグラフィックスカードは、SAPPHIREの「PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6」を使用した。演算ユニット36基、ストリーミングプロセッサ数2304基で、ゲームクロックは最大1615MHz、ブーストクロックは最大1750MHzをうたうオーバークロック仕様のモデルとなる。VGAクーラーはデュアルボールベアリング採用のクイックコネクトファン2基を搭載する。
Radeon RX 5500 XT搭載のグラフィックスカードは、ASRockの「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」を使用した。演算ユニット22基、ストリーミングプロセッサ数1408基で、ゲームクロックは最大1737MHz、ブーストクロックは最大1845MHzをうたうオーバークロック仕様のモデルだ。VGAクーラーは直径90mmのファン2基を搭載する。
また、検証環境を以下にまとめた。
| 検証環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 3700X(8コア16スレッド/3.6GHz〜4.4GHz) |
| マザーボード | ASUS ROG Strix X570-F Gaming(AMD X570チップセット) |
| メモリ | Kingston HyperX FURY DDR4 RGB HX432C16FB3AK2/16(3200MHz、8GB×2) |
| グラフィックスカード | AMD Radeon RX 5700 XT、PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6、ASRock Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC |
| SSD | 500GB M.2 NVMe SSD |
| 電源ユニット | 80 PLUS TITANIUM認証電源(1250W) |
| OS | Windows 10 Pro 64bit(May 2019 Update適用) |
CPUは、AMDの第3世代Ryzenの中でも8コア16スレッドで人気のRyzen 7 3700X、マザーボードはX570プラットフォームを選択した。Radeon RX 5000シリーズのコストパフォーマンスと相性の良い、平均的なミドルクラスを意識した構成としている。なお、GPUのドライバは原稿執筆時点で最新の「Adrenalin Edition 20.2.1」だ。
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