続いて、ゲーム内で画質調整を行った場合、各GPUのフレームレートにどれほどの影響が出るかどうかを見てみよう。なお、設定する画質はプリセットの「最高」「高」「中」の3種類とした。さらに低いプリセットの「低」画質も存在するが、他の設定と比べて明確に描画のクオリティーが落ちてしまうため、筆者としては推奨できない。参考までに、解像度フルHDでの画質ごとの描写は以下のようなものとなる。
では、RX 5700 XTから見ていこう。テスト条件は最初のテストと同一で、解像度をターゲットとなるWQHDに固定し、画質ごとのフレームレートを計測している。
画質「最高」では60fpsに届かなかったフレームレートが、「高」では大きく改善し、最小フレームレートも70fpsを超えている。FreeSync対応ディスプレイでの利用はもちろん、一般的なリフレッシュレート60Hzのディスプレイでも表示が安定するため、滑らかな描画を求めるのであれば適用するのは大いに有効だろう。
ただし、画質「中」は「高」からフレームレートが大きく変わるわけではないため、画質調整をするのであれば「高」をお勧めしたい。また、あえて解像度をフルHDに落とし、画面更新頻度の高いリフレッシュレート144Hzディスプレイなどと組み合わせて使うことも考えられる。
続いては、RX 5600 XTの結果だ。先に述べた通り、RX 5600 XTはフルHDに加えWQHD解像度での使用も狙えるため、2種類の解像度で画質ごとのフレームレートを計測している。
フルHDでは、やはり画質「高」および「中」でフレームレートの大幅な改善が見られる。画質「最高」でも平均フレームレートは60fpsに届いているため、このままでも問題ないのだが、ハイリフレッシュレートディスプレイを使用している場合、より滑らかな描画ができる平均90fpsに迫る「高」や「中」設定を利用するのはアリだ。
WQHDでは、やや厳しめだった「最高」画質でのフレームレートを「高」に落とすことで、ほぼ平均60fpsが実現可能となる。ディスプレイが高解像度に対応しているのであれば、こちらも悪くない設定だろう。フルHDを選ぶかWQHDを選ぶかは、環境や好みに合わせて選択できると言ってよさそうだ。
最後に、RX 5500 XTの結果を見てみよう。ここではGPUのターゲットとなる解像度フルHDで、画質ごとのフレームレートを計測している。
フルHDでも画質「最高」の設定がやや厳しかったRX 5500 XTではあるが、設定を絞ることで最小60fpsを達成可能だ。平均/最小ともに20fpsほどの差があるため、素直に設定を落としておく方が無難かもしれない。GPUのバンドルキャンペーンで「アイスボーン」を入手するユーザーも多いと思うが、画質は「高」あるいは「中」設定が最もバランスの取れた設定になるだろう。
ここまで見てきた限り、AMDのRadeon RX 5000シリーズは、いずれも「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を快適に楽しめるGPUだ。解像度はともかく、画質は「最高」にこだわらなければ、クオリティーを比較的維持したまま大きくフレームレートが向上する「高」設定を軸に調整してみるのも悪くない選択肢となる。
本作は現行PCゲームタイトルとしても負荷が高いことから、これだけの結果を出せるのであれば、他のタイトルの快適動作も期待できると言っていい。PCゲームの入門、既存グラフィックスカードの買い替え先として、Radeon RX 5000シリーズを検討する価値は十分にあるだろう。
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