3Dグラフィックスのベンチマークアプリとして知られる「3DMark」には、「Storageテスト」なるテストがある。これは「データロード」「ゲームの録画」「インストール」「データの保存/移動」など、実際のゲームアプリにおけるストレージの読み書きを模擬的に行うことで、ストレージのパフォーマンスをチェックするというものだ。実使用に近い読み書きを行うベンチマークなので、例えば「990 PROから9100 PROに乗り換えた場合に期待できる性能向上」をイメージしやすい。
Core Ultra 7環境の環境では、990 PROから9100 PROに取り換えるとスコアが「3492」から「3942」に伸びた。Ryzen 7環境でも同様に「3217」から「3699」とスコアアップしている。
帯域幅のグラフを見てみると、Ryzen 7環境で平均15%の性能向上が見られた。ゲーム環境では、「Battlefiled V」の読み込みが毎秒1094MBから毎秒1573MBと1.5倍近く高速化している。ゲームの移動でも、990PROが毎秒3273MBに対して9100PROは毎秒4711MBと1.43倍速い。
このテストにおける「アクセスタイム」(レスポンス)も比較してみよう。平均を取ると、Ryzen 7の環境において990 PROが平均55μsだったのに対して、9100 PROでは48μsとなった。帯域幅と同じように、ゲームの応答性も改善している。
PCIe 5.0接続のSSDといえば、気になるのは発熱だろう。
今回、CrystalDiskMark 8.0.6の64GiBを9回計測した後の温度と、「TxBench」で全域連続書き込みを行って30分後の温度を、モニタリングソフトの「HWMonitor」を使って計測した。
できるだけSSDを発熱させるために、マザーボードのヒートシンクは使用したものの、オープンフレームでグラフィックスカードは取り付けず、風を当てない環境で測定した。結果は、一番高い温度でも「Sensor 1」の72度、Core Ultra 7の環境は元々大き目のヒートシンクが付いていたこともあり、温度は60度とかなり抑えられた。これぐらいの温度なら、冷却を過度に気にする必要はないだろう。
温度の様子は、サーモグラフィーカメラでも確認したので参考にしてほしい。
Samsung Electronicsとして初となるPCIe 5.0 SSDとなる9100 PROをテストしてきた。使う前のPCIe 5.0 SSDのイメージというと、やはり「発熱がすごいのでは?」という所だったが、今回テストしてみてイメージが変わった。
エアフローを考慮しなくても、マザーボードに付属するヒートシンクでも十分に冷却できているので、多くの環境ではそこまで温度を気にする必要はない。もちろんケースに入れてグラフィックスカードも挿せばもう少し温度が上がるかもしれないが。その時はケースのファンでの冷却も見込めるだろう。
何といっても、魅力的なのは読み書きの速度だ。毎秒14GBの連続読み込みと毎秒13GBの連続書き込みは、ここ最近増え始めたPCIe 5.0対応のM.2スロットを備えるマザーボードのポテンシャルを十分に生かせる。
最近のゲームは大容量化が進んでいるので、発売は先になるが8TBモデルがあるのも心強い。9100 PROは“2025年マシン”にふさわしいSSDになるに違いない。
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