さて、ここまででもかなりモバイルできていたと思うが、実は1つだけ問題がある。それはMac miniを使う際に、常に電源コンセントを必要としていることだ。ディスプレイのiPad ProやCapsule Airはバッテリーで動作するけれど、Mac miniは別途電源がないと利用できない。
完全にオフグリッド、つまり家庭用電源コンセントに頼らず利用するには、いわゆるポータブル電源を一緒に持ち歩く必要がある。
では、どんな製品が使えるのだろうか。スペック表によれば、Mac miniの最大消費電力(連続使用時)は155Wとある。ずっと、この最大の消費電力で動くわけではないとはいえ、理論上は最低でも310Whのエネルギーが必要に、さらには内部で交流を直流に変換することにより10〜20%程度の電力ロスが起こるであろうことも考慮すると、350〜400Wh以上の容量があるポータブル電源を使うのが望ましい。
あいにく、筆者の家では巨大なAnker PowerHouse II 800以外が見つからなかったため、これで試したらかなり長時間使えそうなことが分かった。もっとも、このサイズのバッテリーを持ち歩くくらいなら、EV車で移動した方がスマートだろう。最近はバッグに収まるくらいの小さなポータブル電源もあるので、興味のある人はぜひ試してみてほしい人気ブランドAnkerのポータブル電源でコンセントが使える最小のものは、「Anker PowerHouse 90」で約2万4000mAh(87.6Wh)――これだとちょっと心配だ。
2番目に小さいのが、肩掛けストラップで持ち運びができる「Anker Solix C300 DC Portable Power Station」シリーズの製品だ。こちらは288Whで、最大消費電力を出し続けても1.86時間くらいは動かせられそうだ。重量もAnker Solix C300 DC Portable Power Stationで約2.88Kgと、なんとか持ち歩ける重さではある。
しかし、残念ながら検証用に機材を借りるにはちょっと時間が足りない。そこで今回は筆者が災害への備えとして持っている「Anker PowerHouse II 800」というポータブル電源で試すことにした。重量が約8.3kgと、およそ持ち歩く気になれないところだが、その代わりバッテリー容量は21万6000mAh/778Whと強力だ。
先ほどと同じ計算で行くと、このバッテリーではおよそ5時間の動作という計算になるが、実際に接続して1時間ほど使用してみた。
PowerHouse IIのディスプレイには、現状と同じペースで電力を消費するとあと何時間くらい使えるかを表示する機能がある。アドビの「Premiere」による簡単なビデオ編集とYouTube動画の再生、Webブラウジングを行っての計測だったが、表示を見ると最初は残り102時間、10分後くらいには残り75時間といった感じでかなり激しく揺れ動いていた。
さすがに5時間も試すことはできず、最終的にどれくらい使えたのかは分からないが、5時間よりかははるかに長く使えそうだった。そう考えるとSolix C300、いや、それどころか重さが約845gのPowerHouse 90でも、それなりに使えるのかもしれない(実際に検索したら、1世代前のMac miniをPowerHouse 90で利用している動画が見つかったので、やはりできるようだ)。
ただし、1Kgを切るとはいえ、これだけの機材一式を持って電車で移動というのは現実的ではない。実際にはEV車で移動することにして、車自体をバッテリーとして使った方がスマートだろう。
さて、今回の記事はあくまでもエイプリルフールのネタとして試したことであって、本当にこんな活用をする人はかなりの少数派だと思う。でも、ゼロではないはずだ。
実際、製品がここまで小さいことで新しくできることがたくさん出てくる。そういう意味では新しいMac miniはインスピレーションの宝庫だ。ノートPCとも一味違う携帯性を備えたMac miniは、従来の発想ではできなかった新しいコンピュータの使い方へのインスピレーションがあふれている。
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