水冷BOXの効果について、もう少し詳しく見ていこう。ここでは3DMark/Speed WayのStressTestを使って、水冷時と空冷時でどのくらいパフォーマンスや温度、動作音が異なるかテストした。
結果の画面を掲載しているが、違いははっきりとでている。ベストスコアは水冷時6358に対し、空冷時6304とあまり変わらないが、ワーストスコアはそれぞれ6327と6227と開きが出ている。温度については、CPUで10〜20度、GPUは安定して18〜19度弱くらい水冷BOX利用時の方が低く記録されている。
サーモグラフィーを見ると、空冷でも手がよく触れるパームレストの大部分は体温以下に保たれているが、水冷BOX利用時の方が明らかに赤色の部分が少なく、ボディー全体の温度が低く抑えられているのが分かる。
動作音については少し複雑だ。空冷時はパフォーマンスモードだと高負荷時はもちろん、アイドル時もたびたびファンが回ってノイジーな印象だが、水冷BOX利用時は高負荷時の動作音は10dB前後も下がり、アイドル時はPC側のファンはほとんど回らなくなる。
ただ、水冷BOX利用時は、水冷BOX自体の動作音が加わる。負荷にかかわらず、これ単体でビジネスPCの高負荷時くらいの音がしており、ラジエーターのファンの回転を40%にしてもあまり変わらない。
そのため、水冷BOXをPCの近くに設置している限りは、高負荷時も一般的なゲーミングPCと大差があるわけではなく、逆にアイドル時は通常のゲーミングPCよりも存在感のある音がする。もちろん、水冷BOXをノートPCから遠くに設置すれば影響を軽減できるし、普段使いは空冷のバランスモードや静音モードで運用して、ゲームをする時だけ水冷BOXを接続して使うという手もある。
空冷のみでの3DMark/Speed Way Stress Test(ループ5回)終了直前にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温25.5度)。水冷BOX利用時より全体的に温度が高いことが分かるが、パームレストの温度は低く保たれている。マウスコンピューターの直販サイトでの販売価格は、評価機と同じ標準構成で69万9800円だ。さすがに高価ではあるが、CPUとGPUだけでなくメモリ、ストレージの速さにもこだわったハイスペックと水冷BOXと空冷のハイブリッド冷却により、ゲーミングノートPC最強クラスの中でも目立つパフォーマンスを実現している。
さらに画面やキーボード、接続性までスキのない内容だ。これだけの対価を払えるエンスージアストを満足させる魅力はしっかりとある製品だろう。最高のゲーミングノートPCが欲しいという人は要注目の製品だ。
※記事初出時、製品名の一部で誤りがありました。おわびして訂正します(2025年6月4日午後18時40分)。
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