コントローラーチップとNANDを組み合わせた完成品のSSDを販売するメーカーでは、各種ストレージの新製品を展示していた。中には、「Nintendo Switch 2」の発売を見越してかmicroSD Expressメモリーカードの展示に注力しているメーカー(ブース)もあった。
AGI(Agile Gear International)は、日本で目にする機会が増えつつある台湾のメモリメーカーだ。
同社はSilicon Motion SM2508を採用した新型SSD「AI858」を“目玉”として展示していた。Phison ElectronicsのPS5028-E28を搭載する「Project P14」や、同社のPS5031-E31T採用の「Project P10」も展示されていた。
Switch 2向け製品を中心にmicroSD/microSD Expressメモリーカードも紹介しており、幅広いフラッシュメモリ製品を取りそろえていることが印象に残った。
台湾のメモリメーカーであるADATAも、COMPUTEX TAIPEI 2025に合わせて新製品を複数投入している。
メインを飾るPCI Express 5.0接続のM.2 SSD「MARS 980シリーズ」では、液冷+空冷のデュアル冷却を採用した「MARS 980 STORM」が特に注目を集めていた。同社によると、2023年のプロトタイプから約3年をかけて製品化したという。
シリーズには他にも空冷ファンのみ備える「MARS 980 PRO」、ヒートシンク付きの「MARS 980 BLADE」(日本発売済み)が用意されている。全モデル共に、コントローラーチップはSilicon Motion SM2508だ。
Nintendo Switch 2の発売を見越して、ADATAもmicroSD Expressメモリーカードをアピールしていた。
中国のメモリメーカーであるBiwin Storage Technologyは、日本でもAmazon.co.jpで各種ストレージ製品やメモリを販売している。同社も、COMPUTEX TAIPEI 2025に合わせて新製品を披露した。
メインを飾るSSDは、Silicon Motion SM2508搭載の「Black Opal X570 PRO SSD」(キャッシュメモリあり)と、Maxio製コントローラー(型番は不明だが「MAP1802」と思われる)を備える「Black Opal X570 SSD」(キャッシュメモリなし)の2製品を展示していた。
「PRO」のないモデルはキャッシュメモリがないものの、シーケンシャルリードの最高速度はむしろ高いという点が面白い。ヒートシンク付きモデルはPROにのみ用意されるが、ヒートシンクを取り外しても保証は継続することも注目ポイントだ。
日本のメモリメーカーキオクシア(旧東芝メモリ)も、COMPUTEX TAIPEI 2025に合わせて複数の新製品を披露している。
新型M.2 SSD「EXCERIA PRO G2」は、メインストリーム向けSSD「EXCERIA PLUS G4」の上位モデルに当たる。現在開発中でSSDコントローラーは非公開だが、ベースモデルのEXCERIA PLUS G4がPhison PS5031-E31Tを採用しているため、順当に行けばPhison PS5028-E28を搭載している可能性が高い。
同社が得意とするSDメモリーカードも展示されており、中でもmicroSDメモリーカードの最新モデルで開発中の「EXCERIA G3シリーズ」はブース内の“目玉”だった。
上位モデルの「EXCERIA PLUS G3」はシーケンシャルリードが最大毎秒225MB、シーケンシャルライトが最大毎秒150MBというスペックを備える(64GB/128GB構成のシーケンシャルライトは最大毎秒90MB)。
ベースモデルの「EXCERIA G3」はシーケンシャルリードが最大毎秒160MB、シーケンシャルライトが最大毎秒50MBと、現行製品(EXCERIA G2)から速度が向上している。アプリケーションパフォーマンスクラスも「A1」から「A2」にアップグレードを果たした。
EXCERIA PRO G2とEXCERIA G3シリーズは、2025年後半の発売を予定している。
EXCERIA G3シリーズのパフォーマンスを引き出すには、デバイスにおいて「UHS-I DDR225モード」に対応する必要がある。キオクシアでは、UGREEN製のカードリーダー「CM891」「CM892」を推奨しているというCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.