WWDC 2025基調講演から見るAppleの“進む道” 「UIデザインの刷新」と「AI機能の深化」が大きなテーマに本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

» 2025年06月10日 12時30分 公開
[本田雅一ITmedia]
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懸念される「パーソナルコンテキスト」の行方

 実際に新OSのアップデートを目にして使ってみると、見た目だけではなく、さまざまな振る舞いも洗練されていることが分かる。全プラットフォームで統一感のあるユーザーと、デバイスのインタラクションが実現されている。

 これはAppleが以前から得意とする「エコシステム戦略」をより深化したもので、UIを作り直すことで“新たなステージ”に入ったといってもいい。各デバイスが独立して機能するのではなく、相互に連携し、ユーザーがどのようにデバイスを利用しているのか、その文脈に応じて最適な体験を提供しようとしている。

 その象徴たるLiquid Glassは、その“中身”と複数デバイスをまとめた際の“体験の質”が重要な鍵を握る。ここまで幅広いデバイスの統合を進めると、競合他社が模倣することは困難だ。これだけの幅広いデバイス向けにOSを開発している競合が存在しないからだ。

 今回のイベントでも、AppleがAIを「機能の呼び出し」ではなく「日常的に使うアプリの利便性を高める」文脈で使おうとしていることは伝わってくる。しかし、2024年にアナウンスされながらも、まだ回答がない要素もある。

 1つは「パーソナルコンテキストAI」だ。特にパーソナルな情報が集まるスマートフォン(iPhone)では、アプリをまたいでデバイス内の情報を収集し、的確なアドバイスを行うAI機能は有益だ。1年前にはそのデモも披露していたのだが、今回のイベントではきちんとしたアナウンスができていない。とても気になる。

 もう1つ、2024年にアナウンスされた機能としてAIモデルからアプリの画面デザインへとアクセスできるようにするAPIがある。「On-Screen Context」と呼ばれていたものだが、こちらもほとんど言及されていない。果たして、広範かつ異なるアプリにまたがるパーソナルコンテキストのAI機能は実現できるのだろうか……?

 盛りだくさんのWWDC 2025の基調講演だったが、今後の取材でさらに深い情報を探っていきたい。

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