VersaPro Ultra Lite VYが長時間のバッテリー駆動を実現した秘密はシンプルで、74Whという大容量バッテリーを搭載したことが大きい。NECPCによると、同クラスのモバイルノートPCの標準的なバッテリー容量の3割増しだという。
ただし、本製品では74Wh容量のバッテリーパック(L)を標準とする一方で、カスタマイズオプションとして32Wh容量の「バッテリーパック(S)」も用意している。容量が半分以下となっているのは、単純に「LはSの半分」としなかったためだ。
一般的に、1kg前後の重量の13〜14型クラスのノートPCでは52〜57Wh程度のバッテリーを搭載している。その場合、JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)で駆動時間を計測するとアイドル時で30時間程度になることが多いので、本製品における駆動時間のプラスは、おおむねバッテリー容量が増えた効果ともいえる。
しかし、大容量バッテリーを搭載すると重量はどうしても増えてしまう。「1kg以下」という軽量設計を目指す上での阻害要因となるのは言うまでもない。本製品は、一体どうやって課題を克服したのだろうか。
答えはシンプルで、他の部材を軽量設計としている。本製品には大きく「通常モデル」と「軽量モデル」の2種類が用意されており、今回の発表会で強くアピールされたのは軽量モデルのバッテリーパック(L)構成だ。
軽量モデルの軽量化ポイントは「液晶パネル」と「ボディー素材」の大きく2点となる。
軽量モデルでは、低消費電力かつタッチ操作対応の液晶パネルを採用している。タッチセンサーを搭載するため軽量化には不利だと思いきや、通常モデルのタッチ操作非対応液晶パネルよりも軽いという。
また、軽量モデルはAカバー(天板)こそ通常モデルと同じカーボンだが、Dカバー(裏ぶた)に強化プラスチックに代えてマグネシウム合金を採用している。重量当たりの強度はマグネシウム合金の方が強いため、より軽量かつ薄くできるのだという(本体の厚さは、軽量モデルが約17.9mm、通常モデルが約18.2mm)。
本製品はバッテリーをCRUにするため、裏ぶたの一部(バッテリーの格納部分)を着脱できる設計としている。それゆえに裏ぶたの重量差もそれなりに大きくなっているといい、液晶パネルと裏ぶたで合計約36gの軽量化を果たしたそうだ。
本製品の軽量モデルは、通常モデルから液晶パネルと裏ぶたを変えることによって軽量化を果たしている。ちなみに、通常モデルの最軽量構成の重量はバッテリーパック(L)で約1031g、バッテリーパック(S)構成で約921gとなるVersaPro Ultra Lite VYは既に受注を開始しており、9月中旬から順次出荷される予定となっている。
「軽いノートPCは欲しいけど、バッテリー容量を削って駆動時間が短くなるのはイヤだ」と思っていたユーザーにとっては、74Whと大容量のバッテリーを搭載して1kgを切る重量を実現した本製品に注目したい。
左側面のポート類。なお、USB Type-C端子についてはIntel vPro対応モデルは「Thunderbolt 4(USB4)」、非対応モデルは「USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)」と規格が変わるので、より高速なポートを求める場合はvPro対応モデルを選択したい
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