“掃除=ルンバ”の構図を定着できるか? アイロボットジャパン社長が語る、新・最上位モデルの狙い(2/3 ページ)

» 2025年09月02日 12時00分 公開
[大河原克行ITmedia]
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新しいルンバはなぜ選ばれた?

 挽野社長は、新製品を購入した800人を対象にしたユーザー調査の結果に触れた。調査によると、約半分(52.7%)がロボット掃除機の初購入者で、他社のロボット掃除機から買い替えたユーザーも9%に達したとした上で、「新たなルンバが、ロボット掃除機市場の拡大の一助になっている」と分析した。

 アンケートによると、ユーザー満足度は92.8%と高水準で、ルンバの購入によって「生活にゆとりが生まれた」との回答が95.4%、「部屋の清潔度がアップした」との回答が97.2%を占めたとのことで、製品に対する満足度は高いといえる。

 ルンバを使用したことがあるユーザー(304人)に絞り込んだ上で、4月発売の新製品に買い替えた理由を尋ねたところ「ブランドやメーカーへの信頼感」が19.7%となった。この点について、挽野社長は「アフターサービスが安心であることや、製品の進化、手入れがしやすいなどの声があがっており、2台目/3台目もルンバを選びたいと思ってもらえることはうれしい」とした。

ルンバ 新しいルンバの満足度は非常に高いようだ
既存ユーザー調査 既存ユーザーに絞り込んだ上で購入時に“決め手”となったことを聞いた結果。ブランドへの信頼感を理由に挙げる人が2割近くに達している

 製品カテゴリー別で購入した理由を尋ねたところ、エントリークラスの「Roomba」関しては価格重視のユーザーが多いことが分かった(購入者の19.8%)。購入者の属性は「1人暮らし家庭」が57.4%、29歳以下の家庭では64.3%がRoombaブランドを選んだという。

 挽野社長は「Roomba 105 Combo ロボットは、マッピング機能が付いて4万円を切る価格設定が評価された。Roomba 205 DustCompactorは、部屋のスペースを圧迫しないことと、頻繁にゴミを出す必要がなく手間が少ない点が評価されている」と分析する。

Roomba エントリークラスのRoombaでは、価格重視の購入者が多かったようだ
Roomba 価格が手頃ということもあり、1人暮らしや若年の家庭に選ばれる傾向にあるようだ

 ミドルレンジのRoomba Plusは、未就学児と同居する家庭の半数近くに選ばれた(48.7%)。また、水拭きを最も重視する人の7割弱(68.6%)も、このレンジを選択している。

 挽野社長は「小さな子供がいる家庭では、モップの洗浄などがメンテナンスフリーで行えること、おもちゃなどの障害物を認識し、回避して掃除を行える点が人気だ」と、好評の理由を語る。

Roomba Plus Roomba Plusカテゴリーは、未就学児と同居する家庭と、水拭き機能を重視する人からの人気が高い

 フラグシップのRoomba Maxでは、吸引力を重視するペットオーナーから支持を集めていることが分かったという。「(Roomba Max 705 Vac + AutoEmptyは)水拭き機能を備えないが、(ルンバとしては)最強の吸引力を持つ点が評価されている。髪の毛やペットの抜け毛、ラグの掃除に対するニーズが高い。販売店からは省スペースであることも勧めやすい理由の1つとの声があがっている」とのことだ。

 挽野社長は「4月以降の新製品の売れ行きを見て、ルンバブランドは健在であり、ブランドを信頼して新製品を購入してもらっていることに自信を深めた。またカテゴリーごとにターゲットを明確にしたPR活動などを行い、自分に合ったルンバをお客さまが選択していること、さらに、購入者の半数以上が初めてロボット掃除機を購入している。ルンバの市場ポテンシャルの大きさも実感している」と述べた。

Roomba Max Roomba Maxカテゴリーは、Roomba Max 705 Vac + AutoEmptyの1機種のみとなるが、その吸引力の強さに惹かれるペットオーナーに選ばれている

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