ロジクールの「Flip Folio」は、iPad対応の保護カバーと一体になったキーボードだ。キーボード本体をカバー部から分離して使えるだけでなく、iPadを縦横どちらの向きにもセットできるなど、純正の「Magic Keyboard」にない数々の特徴を持つ。メーカーから13インチiPad Pro/iPad Airに対応した実機を借用したので、レビューをお届けする。
iPad用の保護カバー兼一体型キーボードとしては、Apple純正のMagic Keyboardが有名だが、専用品ならではの一体感がある反面、それゆえにできないこともいくつかある。
1つは、iPadを縦向きにしてセットできないことだ。特に13型のiPadは画面幅も広く、横向きでのテキスト入力では画面の左右が余りがちだ。こういった場合に画面を縦にできれば余白をなくし、同時に行を多く表示できて便利なはずだが、Magic Keyboardはそうしたギミックはない。
また完全な専用品であるために、iPad以外のデバイスと組み合わせられないのも、時折不便に感じるポイントだ。例えば、届いたメッセージに返信すべく、一時的にiPhoneでキーボードを使いたいとなった場合でも、接続する方法そのものがなく、流用は不可能だ。
さらにMagic KeyboardはiPadを浮かせた状態でセットするという設計上、キーボードはiPadの下に潜り込む形となり、タイプ時に指先が当たりそうになることもしばしばだ。もう少し手前に出して使いたくても、その構造からして調整のしようがない。
こちらはApple純正の「Magic Keyboard」。iPadを浮かせた状態でセットするのが特徴だ。これは13インチiPad Pro(M4)用のブラックで、ホワイトカラーモデルもある。価格は5万9800円と高い今回紹介するFlip Folioは、こういったMagic Keyboardでできないことの多くを解決した製品だ。
構造自体はMagic Keyboardと同じく、iPadを表裏両面からサンドイッチする方式だが、キーボードは完全に独立した状態で背面にマグネットで吸着されており、利用する時は取り外して自由な位置に配置できる。
そのため、iPadの手前に置いた時も前後の位置を自在に調整できるのはもちろん、キーボードだけを膝に載せるなどして離れた位置から利用することも可能だ。また外出時にキーボードが不要であると事前に分かっていれば、取り外して荷物を軽くできるメリットもある。
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