最後に消費電力と発熱もテストした。消費電力はワットチェッカーの数字を目視で確認し、発熱はCPU温度はユーティリティーにて、他はサーモグラフィーカメラを使用して計測した。
まず消費電力だがアイドル時は10W台と低く、温度も低いため冷却ファンの音もほぼしなかった。続いてはYouTube視聴時で、30分ほど視聴していたが消費電力は30W程度で済み、冷却ファンの音はするがYouTubeの音で気にならないレベルであった。
排気口の温度はきちんと放熱できており温度が上がっている。最後にベンチマークソフトを走らせると、どちらも70〜80W台、ACアダプターも温度が10度ほど上がり、ファンもそれなりにノイズが発生するようになった。
筆者の場合は再生している音楽やエアコンの音があるため気にならないが、静かな環境では耳障りに感じる。天板のロゴあたりの温度はほぼ変化がなく、しっかりとCPUの熱を背面から排熱できているようだ。CPU温度も最大で85度だが、常にフルパワーで動かすことは実作業では少なく、温度面はあまり気にしなくていいだろう。
冒頭で触れたように、本製品にはVESAマウンターが標準で付属している。これを使って液晶ディスプレイの背面に取り付けると、前面が右側に来るレイアウトになる。
マウントの取り付けも難しくなく、机上のスペースを有効活用したい場合にはいいだろう。もっとも、電源スイッチもディスプレイの裏側になるため、個人的にこの使い方をするなら電源を切らずにスリープモードで常用したい。
本製品の特徴でもある、4画面の同時出力も試してみた。2基のHDMIポートと2基のUSB4ポートを使ったところ、問題なく同時出力を行えた。
例えば2画面を横方向、1画面は縦でWebニュースなどを見て、1画面を小型ディスプレイなどでキーボード前に置く、またはシンプルに4画面同じディスプレイで使うというのも可能だろう。ノートPCだけでは難しい、4画面のマルチディスプレイを手軽に使いたい人にも有効だ。
短時間だがGEEKOM A9 Maxを使ってみた。AAAタイトルの3Dゲームを快適にプレイするのはさすがに物足りないが、逆に言えばそれ以外では十分なパフォーマンスが出ており、不満はない。
消費電力も高負荷時で80W台と一般的なデスクトップPCよりも低く、高速回転時の冷却ファンの風切り音は少し気になるものの、低負荷の処理ならノイズも気にならず音も静かだ。
USB端子が多く、キーボードやマウスにWebカメラ、USBフラッシュメモリなど同時に挿してもまだゆとりがある。外部ストレージもUSB4接続で高速に接続可能だ。
そして何より、最大4台もディスプレイをつなげられるのも見逃せない、ながら作業や何かの資料を見ながら作業するには、やはりマルチディスプレイが便利だ。そして本体がコンパクトなので場所を取らない。
価格は13万9900円とそれなりだが、Windows 10のサポート終了を機に、PCの買い換えや買い増しを考えている人には、超小型でハイパフォーマンスなこのミニPCも十分な買い替え先候補になるだろう。
なお、GEEKOMではさらにハイエンドなCPUであるRyzen AI Max+ 395(16コア32スレッド)を搭載した「A9 Mega」を発表し、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で支援を受付中だ。
価格は1899ドル(約28万円)と30万円近いが、こちらの存在も気になるところだ。
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対象店舗:GEEKOM Amazon
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