スペックだけではない、実機で感じるPFU「Scan Snap iX2500」の“本当の実力”(2/3 ページ)

» 2025年10月16日 12時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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場所を選ばないスキャンを実現する新ソフトウェア

 とはいえ、使い込んでいるとハードウェアの順当な改善もさることながら、連携するソフトウェアやネットワークサービスの充実の方が大きな改良であるのに加え、長く使っていく上で今後のアップデートを期待させるものに仕上がっている、と感じるようになる。

 最も大きな変化は、スキャン設定のプロファイルが、PFUがネット上で管理するユーザーアカウントに保存されるようになることだ。機器にひもづくわけではないため、どのiX2500でも”自分設定”のスキャナーになってくれる。

 プロファイルには、どんな文書をどのような設定で、どこに保存するか。どんなアプリケーションやネットワークサービスと連携するか? などが保存されているので、使い込むほどに重要になってくる。

PFU ScanSnap iX2500 iX1600 IX1500 ドキュメントスキャナー 最新 ai 高速 PC用の「ScanSnap Home」画面。従来通りに柔軟なスキャン設定プロファイルを作成可能(最大100個まで)だ。アカウントごとに記録されているので、設定は同期される

 例えば、自宅で作成した「領収書→Dropbox/OCR」「写真→iCloud/600dpi」といったプロファイルを、オフィスのiX2500でもそのまま使える。会社のスキャナーが同じということは少ないかもしれないが、PFUは今後、レンタルのコワーキングスペースなど、さまざまな環境での共有スキャナーとして、この製品を売り込んでいくつもりのようだ。

 圧倒的にナンバーワンのシェアを持つ同社のドキュメントスキャナーだけに、自分専用のスキャナーを持ち歩いているように使える環境が、そう遠くないうちに整っていくだろう。

 これらと同時に、クラウドサービスとの連携も大幅に強化されている。

 新たにMicrosoft Teams/SharePoint/OneNote/Notion/iCloudへの直接アップロードが可能になり、従来から対応していたDropbox/Google Drive/Evernote/OneDriveと合わせ、主要なクラウドサービスをほぼ網羅する形になった。

 特にビジネスシーンでのTeamsとSharePointへの対応は大きな意味がある。

 会議資料をスキャンして即座にTeamsのチャネルに投稿したり、契約書をSharePointの部門フォルダーに直接保存したりできる。PCを介さない直接連携により、ワークフローが大幅に簡素化可能だ。もちろん、そうした設定は自分だけのものとして持ち歩ける。

PFU ScanSnap iX2500 iX1600 IX1500 ドキュメントスキャナー 最新 ai 高速 クイックメニューが刷新され、より便利に使えるようになった

実用性を大きく増したモバイルアプリ

 連携ソフトであるScanSnap Homeモバイル版の機能強化も抜かりはない。

 検索可能なPDFの生成、つまりOCR機能がスマートフォン単体で可能になり、スマホで名刺をスキャンすると、すぐに検出した電話番号に発信といったことも行える。

PFU ScanSnap iX2500 iX1600 IX1500 ドキュメントスキャナー 最新 ai 高速 スマホとの連動性が大きく向上したのが新モデル最大の特徴だ

 昨今はモバイル中心にワークフローが構築されることも増えてきているが、そういったワークフローの中にスキャナーを効果的に組み込めるだろう。

 今後のアップデートでは、複数デバイスでスキャンした書類をクラウド経由で同期する機能も追加される見込みだ。また10月15日からモバイル版ScanSnap HomeがChromebookで利用できるようになったので、教育現場での用途が広がる。

PFU ScanSnap iX2500 iX1600 IX1500 ドキュメントスキャナー 最新 ai 高速 モバイル版ScanSnap Homeの登場で、スマートフォンを中心としたワークフローも可能になった。また端末側に設定を保存しておき、コワーキングスペースでのスキャナーをいつもの設定で利用するなども行える

 モバイルアプリでの機能制限はほぼなく、今後のアップデート対応待ち(スマートフォンをかざしてスキャン)となるが、スキャンプロファイルの設定もここから選んでタッチするだけと実用性は大きく向上する。

 また、モバイル版ScanSnap Cloudアプリは既に提供が終了しているが、内蔵カメラを用いた書類スキャン機能は「モバイル版ScanSnap Home」で利用可能だ。

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