Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)の「Xe3 GPU」の改良点をさらに深掘り 今後の取り組みもチェック!(3/5 ページ)

» 2025年11月19日 17時00分 公開
[西川善司,ITmedia]

Xe3 GPUのパフォーマンスはどこまで上がった?

 下の図は、Xe3 GPUの機能強化部分がXe2アーキテクチャと比べてどのくらいパフォーマンスを向上したのかを示したものだ(Xe2を「1」とした場合の相対スコア)。

機能単位 Xe3 GPUの機能単位ベンチマークの結果(Xe2アーキテクチャを「1」とした場合を相対値)

 レイトレのパフォーマンスはXe2比で「2.0倍」となっている……のだが、Xe3 GPUのレイトレーシングユニットの数はXe2 GPU比で1.5倍でしかない。「0.5倍」の上乗せは、恐らくDynamic Ray Managementの恩恵だろう。

 メッシュレンダリング(Mesh Rendering)のパフォーマンスは「2.4倍」、高レジスタープレッシャーシェーダー(High Register Pressure Shader)のパフォーマンスに至っては「3.1倍」にまで向上している。これはVariable Register Allocationから導出された実行スレッド数の25%増加と、URBの改善による効果だ。

 16x Anisotropic Filtering sRGBのパフォーマンスが「2.0倍」となったことと、Depth Writesが「最大7.4倍」となっているのは、「Up to 2X Anisotropic Filtering」「Upto 2x Stencil Test rate」のチューニングの恩恵だろう。

 ちなみに「Xe3 GPUの“総合”パフォーマンスはどうなんだ?」という点について、Intelは非常にざっくりとしたグラフしか示していない。一応、Core Ultra 200Hプロセッサに搭載された「Xe GPU」やCore Ultra 200Vプロセッサに搭載された「Xe2 GPU」から順当な性能向上を果たしているよということは分かる。

全体パフォーマンス GPUの全体パフォーマンスはざっくりとした表で示されている。同じ消費電力なら、順当にパフォーマンスを改善できているということを言いたいのだと思われる

 実際の人気ゲームにおけるパフォーマンスは、市販製品が出てきてから各メディアが実測して示してくれるはず。その時が来るまで、最終評価はお預けだ。

イベント会場 イベント会場では、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)を搭載するPCの実機で「Painkiller」のリメイク版が動作していた
メニュー画面 メニュー画面を見てみると、「Xe Super Sampling(XeSS)」のマルチフレーム生成(XeSS MFG)には対応していないものの、XeSS 2相当の機能は実装できていた

 下図は、とあるゲーム実行時のXe2 GPUとXe3 GPUのパフォーマンスの違いを見せたグラフになる。少し分かりにくいのだが、このグラフの横軸は時間ではなく、APIコールの通算数を表す。縦軸も難解で、こちらはAPIの実施に掛かった累積時間になる。

 つまり、このグラフは必ず右肩上がりとなり、高さが低い方が優秀ということになる。グラフの右端に書かれた時間(ミリ秒単位)は、1フレームの描画に掛かった総時間を表している。

累積グラフ Xe2 GPU(8コア)とXe3 GPU(12コア)で描画させた、とあるゲームにおけるフレームの累積時間グラフ

 グラフの各所に囲まれたポイントが数カ所あるが、これらにはここまで筆者が解説してきた、Xe3 GPUのさまざまな機能改善点が大きく表れている。

 左端は、Variable Register Allocationによって実行スレッド数が最大10になったことによる処理時間の短縮分を表している。ここから右に順番に見ていくと、次はL2キャッシュが16MBに増量された効果だ。

 ここに記載されている「Render Pre Pass」とは、具体的にはDeferred Rendering(遅延レンダリング)における「G-Bufferレンダリング」を指している。G-Buffer(Geometry Buffer:ジオメトリバッファー)は、後段に行うライティングに必要なパラメーター群(法線/深度/鏡面反射/ベースカラーなど)を収めたものだ。平常は「Multi-Render Target(MRT)」で最大8枚を同時出力するため、それなりに負荷は高い。

 後段3つのポイントも、Variable Register Allocationの恩恵を表している。Compute ShaderやPixel Shaderの処理がXe2 GPUよりもだいぶ速くなっているということが分かる。

 Xeコアの最大数が1.5倍になったXe3 GPUだが、フレーム処理の時間は2倍近くも違うので、ここは素直にXe3 GPUの改良点が着実な効果を見せていると見て良いだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月25日 更新
  1. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  2. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  3. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  4. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
  5. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. QualcommのSnapdragon Xシリーズが「Googlebook」に進出 DellとHPから搭載モデルが登場 (2026年09月24日)
  8. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  9. フルHD/300Hz駆動で3万円台!? 「GigaCrysta」新モデル&驚きのコンセプト機が並んだアイオーブースを一挙紹介 (2026年09月23日)
  10. 3万円台で充電ケースにディスプレイとAIレコーダー機能を内蔵! Anker「Soundcore Liberty 5 Pro Max」の気になる実力と使い勝手を試す (2026年09月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー