さて次はMS-02 Ultraをモンスターたらしめる背面をチェックしていこう。まずはオンボードポートについて見てみると、HDMI 2.1 FRLに対応したポートが1基、最大40Gbpsに対応し、映像出力および15W PDが利用可能なUSB4ポートが1基、Realtek RTL8127チップを採用した10GbE対応(RJ45)ポートが1基、Intel I226-LMチップを採用し、vProに対応した2.5GbE(RJ45)ポートが1基それぞれ搭載されている。
本機は25Gb NICに注目されがちだが、Cat.6(55m以下)やCat.6AのLANケーブルを用意すれば、10G NICが利用できる点は地味にうれしいポイントだ。
熱問題などを考慮すると、10Gb以上のNICを利用する場合は、光ファイバーケーブルを利用したいところではある。しかし、機器によってはSFP+ポートが用意されていないため、RJ45接続が必要な場面がまだ多い。
続いてはPCI Expressの拡張部分について見てみよう。MS-02 Ultraは小型ボディーながら、PCI Express Low Profileカードを3枚搭載できるが、Intel Core Ultra 9 285HX搭載モデルのみ、1スロットは25Gb NICで利用されているため、空きスロットは2基となる。
25Gb NICにはIntel E810チップを採用したデュアルタイプのものが採用されている。接続においては、10G NICで利用されるトランシーバーがSFP+ではなく、SFP28と呼ばれる規格のトランシーバーを利用する。
なお、SFP28はSFP+との後方互換がサポートされているため、SFP+トランシーバーも接続可能だが、あくまで速度上限は10Gbpsとなる。現在は10G環境しかないが、ゆくゆくは25Gbネットワークを構築する方にとってはうれしい仕様だ。
また、MS-02 Ultraに搭載されている25Gb NICは、QNAP製NAS製品の10GbEポート拡張カードのように、NVMeストレージを2枚搭載できるようになっている。Core Ultra 9 285HXを搭載した最上位モデルは、NVMe SSDを4枚搭載できることになる。
PCI Expressのレーンが足りず、動作モードは著しく落ちるのではないかと懸念したが、4TBまでであれば、PCI Express 4.0 x4で動作し、最大8TBのNVMe SSDを搭載した場合は、PCI Express 3.0 x4モードで動作するので安心してほしい。
空きスロットはレーン分岐をサポートしたPCI Express 5.0 x16スロットが1基と、PCI Express 4.0 x4スロットが1基用意されているため、デュアルスロットGPUを利用したグラフィックレンダリングパフォーマンスの向上や、LLMのパフォーマンス向上、多画面出力実現など、小型ボディーながらしっかりワークステーションと利用できるポテンシャルを秘めている。
メモリはサーバやワークステーション向けのECCメモリに対応したDDR5 SO-DIMMスロット計4基を用意し、アンバッファードメモリであれば最大256GB、ECCメモリであれば最大192GBの構成をサポートしている。
今回手元に用意したモデルは32GB RAM+1TB SSDモデルだったため、前面の2スロットにしかメモリは搭載されておらず、背面の2スロットは空きスロットだった。
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