外観チェックはこれくらいにしておいて、続いては各種ベンチマークソフトを通じてMS-02 Ultraのパフォーマンスをチェックしていこう。
なお、今回手元に用意したモデルの主なスペックは以下の通りだ。
ベンチマーク比較の参考値として、同じくMINISFORUMから発売されているMS-01で計測したスコアも掲載している。MS-01の主なスペックは以下の通りだ。
〇CINEBENCH 2024
まずは、3DレンダリングによってCPUの性能をテストする「CINEBENCH 2024」を実行し、MS-02 Ultraの実力を測ってみた。結果は以下の通りだ。
Intel Core Ultra 9 285HXはモバイル向けCPUながら、Pコアが8コア、Eコアが16コアの計24コア、ターボブースト利用時の最大周波数が5.5GHz、Eコアのターボブースト利用時の最大周波数が4.6GHzと、MS-01に搭載されているIntel Core i9-12900Hと比べ大幅にスペックアップしている。
特にマルチコア性能においてはMS-01比で2.4倍とコア総数の差だけでなく、PコアおよびEコアの性能差が大きく寄与している。
その分、最大ターボパワーが160Wと、瞬間的に非常に大きな電力を消費するが、サーバグレードの冷却設計をうたっているため、高負荷時の利用も安心だ。
〇PCmark 10
続いて、さまざまなアプリケーションを実行して総合的なパフォーマンスを測定できる「PCmark 10」を実行し、MS-02 Ultraの総合的な実力を試してみた。結果は以下の通りだ。
<総合スコア>
<Essentials>
<Productivity>
<Digital Content Creation>
やはり基本的にCPUが主体となるEssentialsテストでは、MS-02 Ultraが大きくスコアを離す結果となったが、ProductivityにおいてはMS-01にわずかな差でMS-02 Ultraが敗れるという興味深い結果が得られた。
基本的にMS-02 UltraがMS-01と比較して非常に高いパフォーマンスを発揮するのだが、搭載されているCPUのアーキテクチャ特性により、MS-01がわずかに高いスコアを示したと筆者は考える。
今回、Productivityテスト内で行われるSpreadsheetsスコアとWritingスコアは以下の通りだ。
MS-01に搭載されているIntel Core i9-12900Hは、1つのチップ上にCPUコアとメモリコントローラーが実装されているモノリシック構造であるのに対し、MS-02 Ultraに搭載されているIntel Core Ultra 9 285HXは、CPUコアがあるコンピュートタイルとメモリを制御するSoCタイルなど、複数のダイで構成されたタイル構造を採用している。
そのため、テキストの入力や整形、小さなファイルの保存を行うWritingテストにおいては、CPUとメモリ間での通信が多く発生する処理によってIntel Core Ultra 9 285HXではタイル同士の通信にオーバーヘッドが発生し、結果としてIntel Core i9-12900Hの方が高いスコアが得られた、と考えることが妥当だろう。
とはいえ、ワークステーションでは多岐にわたる処理を行うため、総合的なパフォーマンスとしてはやはりIntel Core Ultra 9 285HXを搭載したMS-02 Ultraが圧倒的、まさにモンスターマシンにふさわしいモデルといえよう。
MINISFORUMがミニワークステーション「MINISFORUM MS-02 Ultra」を発表 Core Ultra 9 285HXを搭載して2026年1月下旬に発売
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