PLAUDやNottaのライバルとなるか? 画面付きでUSB Type-C直挿しできるAIボイスレコーダー「TALIX & DingTalk A1」の完成度と“アプリの壁”を検証(2/3 ページ)

» 2026年01月05日 14時00分 公開
[山本竜也,ITmedia]

独自の音声認識モデル「Fun-ASR」を搭載

 A1の基本的な使い方は、録音ボタンを2秒長押しで録音開始、録音中に2秒長押しで録音停止となる。録音範囲は約5〜8mをカバーし、全指向性マイク5基と骨伝導マイク1基の組み合わせにより、スマートフォンの通話も録音にも対応する。通話録音モードへの切り替えは、自動で行われる仕組みだ。

 録音終了後、データは自動的にスマートフォンに同期される。なお、PLAUDなどは自動的にクラウドにアップロードされるが、A1はユーザーが許可しない限りアップロードは行われず、データはスマートフォン内に保存される。この状態でも文字起こしなどのAI機能は利用できるが、デバイス間の同期はできないので注意が必要だ。

 AIボイスレコーダーは、文字起こしにOpenAIの「Whisper」を使うものも多いが、A1は40万時間以上の日本語音声データを追加学習させた独自の音声認識モデル「Fun-ASR」を採用する。「あー」「えーと」などのフィラー(不要語)の除去に対応する他、方言や15の専門分野における業界用語にも対応するという。

 今回、試用期間中に発表会などで実際に利用する機会がなかったため、以前に録音したものをPCで再生し、それを改めて録音するという方法で試したところ、文字起こしの精度は良好だった。固有名詞は正しく変換できていない部分もあるが、文脈の把握には十分なレベルである。

 独自の辞書機能を活用し、頻出する固有名詞を登録しておくことで、実用性はさらに高まるだろう。また、アプリを併用することでリアルタイムの文字起こしや翻訳も可能となっている。

AIボイスレコーダー TALIX & DingTalk A1 HHO 充電 USBケーブル スマホ 録音 文字起こしの精度は良好だ。といっても競合製品と大きな差は感じない(左)。文字起こしと同時に要約も作成できる(右)

DeepSeekやQwenを選択できるAI要約機能

 文字起こしと同時にAIによる要約も行え、こちらは使用するAIモデルを「Qwen3-253B」「Qwen Qvq-plus」「DeepSeek-R1(32B)」「DeepSeek-R1(671B)」「DeepSeek-V3(671B)」から選べる。

 QwenやDeepSeekが選択できる反面、GPT-5やGeminiなどを選べないのは、選択肢の幅という点でやや物足りなさを感じる人がいるかもしれない。もちろん、文字起こしや要約はテキスト/PDFでエクスポートが可能だ。

AIボイスレコーダー TALIX & DingTalk A1 HHO 充電 USBケーブル スマホ 録音 要約はテンプレートや、使用する言語モデルを選択できる。言語モデルとしては、アリババグループのQwenやDeepSeekを選べるが、GeminiやChatGPTなどおなじみのAIモデルがないのは残念だ

ユニークな音声メモ機能

 A1のユニークな機能として「音声メモ」がある。音声ボタンを長押ししている間だけ録音され、離すと終了するこの機能は、ふとしたアイデアを記録するのに適している。

 録音データはDingTalkアプリ内の「私」チャットに同期され、必要に応じて後から文字起こしを行える。部分的に中国語に翻訳されてしまうことがあるのが気になるが、内容自体は概ね理解できそうだ。

 A1をスマートフォンの背面に貼り付けて持ち歩くのであれば、そのままスマホで録音するか、直接入力してした方が早い気もするが、スマホを操作せずに長押しだけで録音できる点は便利だろう。

AIボイスレコーダー TALIX & DingTalk A1 HHO 充電 USBケーブル スマホ 録音 音声メモは、後から文字起こしが可能だ。ただし、一部中国語に変換されてしまった。正しくは「12月分の請求書を送付する」と言っている

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