Microsoftの現行OSであるWindows 11は、以前にもレポートしたように、“年1回”の大型アップデートをうたっていたが、2026年のみ例外的に「26H1」「26H2」の2つが提供される見込みだ。
後者は例年通りの通常リリースとなるが、前者の26H1は特定のプラットフォームをターゲットにしたアップデートで、具体的には2026年1月のCESでも当該SoCを搭載したPCが複数発表された「Snapdragon X2 Elite/Extreme」を対象にしている。
26H1は、基本的にこれらのデバイスが発売される3〜4月のタイミングで当該PCへのプリインストールが行われた状態でのみ提供され、他のプラットフォーム(例えばIntelやAMDなど)には、26H2として2026年の後半に改めてアップデートが提供されることになる。
なお、現時点では「Snapdragon X2シリーズ」(おそらくは新しく発表されたPlusシリーズも含むと思われる)に限り26H1が提供される対象となっているが、以前にも触れたように、うわさでは現時点で未発表の「NVIDIA N1X」もそのターゲットになっているという。
これはWindows Centralのザック・ボーデン氏が26H1の解説の中で改めて触れているが、実際のところ、N1Xについてはリリースが2026年後半にずれ込むとの報道が複数出ており、少なくとも夏以降の動向を見守るしかなさそうだ。
Windows 11の「24H2」から「25H2」への移行時とは異なり、26H1/26H2ではOSのベースそのものが「Germanium」から「Bromine(臭素)」へと移行しているため、アップデートとしては“やや大がかり”なものになると予想される(以後「BRリリース」と呼ぶ)。
現時点では26H2にどのような機能アップデートが含まれるのかは不明だが、26H1は機能そのものは25H2とは大きく変わらず、基本的にはSnapdragon X2シリーズのような新しいSoCに対応するための内部的なチューニングが中心になると思われる。
実際、前出の記事でもボーデン氏が「Where things differ between platform releases is what's happening under the hood.(両リリース間の差異は内部的な部分にある)」と述べている。
では、具体的にBRリリース(26H1)でどのような違いがあるのだろうか。
同氏の記事でも「パフォーマンスと実行の効率性」と述べられているが、1つはSnapdragon X2シリーズSoCのコア特性にあるとみられる。以前にQualcommのSnapdragon Summitでのインタビュー記事でも触れているが、Snapdragon X2では以前のXシリーズとは異なり、CPUコア(Oryon)の構成がホモジニアスからヘテロジニアスに変更され、動作クロックや消費電力特性の異なる2種類のコアを混在させている。
また、“ブースト”機能の併用により、シングルスレッド動作の高いパフォーマンスと省電力動作の併存が可能になり、Qualcommいわく「(パフォーマンスと省電力性における)広いダイナミックレンジを確保できた」という。
おそらくは、この動作へのチューニングが特徴の1つではないかとみられる。
もう1つ、Snapdragon X2シリーズ回りの特徴といえるのが「80TOPSに達するNPU」と「GPUドライバの月1回ペースの更新」で、特に前者についてはその特性を生かすため(Qualcommによれば80TOPS達成にはソフトウェア部分の改良も必要だという)、OSのカーネルそのものに手を加えて性能を引き出せるようにするのが、その狙いではないかと考えられる。
こうしてみると“新しい”BRリリースとはいうものの、Snapdragon X2シリーズを効率的に動作させるのに必要な改良が取り込まれただけであり、現行のIntelやAMDといったSoCベースのPC製品には変更点と呼べるものがないようにも思える。あくまでBRリリースとしては先行したというだけであって、むしろ本命は26H2がどうなっていくのかという部分かもしれない。
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