想定以上のスピードで製品版(GA:General Availability)の提供が開始されたWindows 11のバージョン「25H2」だが、いくつか既知の問題が早々に発見されており、既報の通り「24H2」「25H2」を対象にしたアップデートの提供が開始されている。
注目的の1つは、アップデートの名称が今回(2025年10月)から変更された点で、従来まで「累積更新プログラム(Cumulative Update)」の名称で提供されていたものが、「セキュリティ更新プログラム(Security Update)」「プレビュー更新プログラム(Preview Update)」の形でセキュリティパッチとそれ以外のアップデートの形で示されるようになった。
以前までの細かい表記がなくなり、どのタイプのアップデートか明確化された形だ。
Windows 10がEOS(End Of Service)となり、Windows 11に対応した最新PCの売れ行きが日本国内でも好調という話が聞こえてくる中で、既に次のバージョンである「26Hx」に向けた話題が出てきている。
今回の注目は、Windows Insider ProgramのCanary Channelだ。Microsoftは10月23日(米国時間)に同チャネルに対してWindows 11 Insider Previewの「Build 27975」の配信を行っているが、Neowinによれば、同ビルドのレポートをYouTube上で行っているphantomofearthという人物が、最新ビルドの適用により「Timebomb(有効期限)」がなくなり、Insider Previewであることを示した「Watermark」の表示がデスクトップ画面上から消えていると報告している。
この種の変化があった際の動きとして、Canaryで作業されていたビルドは間もなくDevやBeta Channelへと移動され、Canaryではさらに“新しい”ビルドでの作業が開始される可能性が高いという。
以前のレポートでも触れたが、Windows Insider Programでは4つあるチャネルのうち、「Canary→Dev→Beta→Release Preview」の順で作業中のビルドが拡散していく。そのため、“基本的には”Canaryに近いほどビルド番号が高くなる傾向がある。本稿執筆時点(11月1日)での4つのチャネルの最新ビルド番号は次の通りだ。
以前までDev Channelでは25H2の系統を扱う一方で、Beta Channelは24H2の系統を取り扱っていた関係でメジャーバージョン(最初の5桁の数字)が異なっていたが、10月31日に配信された最新ビルドで同一系統に合わせられた。
phantomofearth氏の指摘によれば、Canaryで作業中のチャネルをいったん閉じることで、以後は「Build 27xxx」の系統はDev ChannelとBeta Channelに引き継がれると推測している。
一方のCanaryは、ビルド番号が一気に上がって「Build 29xxx」の番号が付与されるというのが同氏の意見だ。
ここでの注目点としては、以前の解説にもあるように24H2と25H2は共に「Germanium(ゲルマニウム)」のOSコアをベースにしているのに対し、Canaryでは「Bromine(臭素)」の新しいOSコアの命名ルールが適用されている点だ。
つまり、次(2026年)に降ってくるWindows 11のOSバージョンは新しいコアになっている可能性が高い。参考にBetaWikiに記された両チャネルの最新ビルドのフル名称は下記のようになっている。
「ge」は「Germanium」、「br」は「Bromine」というわけだ。
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