プロナビ

デスクトップワークステーション向け「Xeon 600プロセッサ」登場 全てPコアで高負荷処理を高効率でこなす

» 2026年02月03日 06時30分 公開
[井上翔,ITmedia]

 Intelは2月2日(米国太平洋時間)、デスクトップワークステーション向けの新型CPU「Xeon 600プロセッサ」を発表した。米国における市場想定価格は499ドル(約7万7200円)〜7699ドル(約120万7000円)で、パートナー企業を通して搭載製品が順次発売される他、一部モデルは単品販売用のリテールパッケージも用意される。

Xeon 600プロセッサの主な特徴 Xeon 600プロセッサの主な特徴

Xeon 600プロセッサの概要

 Xeon 600プロセッサは、パフォーマンスコア(Pコア)のみのCPUアーキテクチャ「Granite Rapids」(開発コード名)のデスクトップワークステーション向けモデルという位置付けだ。最上位モデルの「Xeon 698X」ではCPUコアを86基搭載している。

 現行の「Xeon W-2500プロセッサ」「Xeon W-3500プロセッサ」の同等クラスのモデルと比べると、シングルスレッド性能で最大9%、マルチスレッド性能は最大61%のパフォーマンス向上が図れるという。Intelは「高負荷コンピューティングを解き放つ」CPUだと自信満々だ。

改善ポイント コア数の増加、1コア当たりのキャッシュの増量、コア自体の改善による電力効率向上を図っていることが特徴だという

 Xeon W-2500/3500プロセッサと比べた場合の主な改善点は以下の通りとなる。

  • AMX(Advanced Matrix Extension)におけるFP16演算のサポート
  • PCI Express 5.0バスが最大128レーンに(下位モデルは最大80レーン)
  • Compute Express Link(CXL) 2.0バスのサポート
  • より高速なDDR5メモリのサポート
    • 通常モジュールはDDR5-6400まで対応(全モデル共通)
    • 上位モデルはDDR5-8000のマルチプレックスランクDIMM(MRDIMM)モジュールにも対応する

 本CPUのソケットは「LGA 4710-2」で、これをサポートする「Intel W890チップセット」はWi-Fi 7(IEEE 802.11be)規格の無線LAN通信にも対応する。

ブロックダイヤグラム Xeon 600プロセッサとIntel W890チップセットのブロックダイヤグラム(黄色で表記されているものが前世代からの向上ポイント)
AI AIの開発に使ってもらうための改良が進められた
上位モデル 上位モデルについては、並列処理を行うことで実装可能な容量とアクセス速度を向上したMRDIMMモジュールにも対応した(参考リンク)

ラインアップ

 Xeon 600プロセッサは、全11モデルが用意されている。モデル名の末尾に「X」が付いているモデルは、より高いパフォーマンスを求める用途向けにアンロック(オーバークロック)に対応する。

 リテールパッケージが用意されるモデルは以下の通りだ。なお、リテールパッケージにはLGA 4710用クーラーを装着するためのアタッチメントが付属する。

  • Xeon 654
    • CPUコア:18基(3.1GHz〜4.8GHz)
    • L3キャッシュ容量:72MB
    • TDP:200W
    • メモリチャンネル数:最大8チャンネル
    • PCI Express 5.0バス:128レーン
  • Xeon 658X
    • CPUコア:24コア(3GHz〜4.9GHz)
    • L3キャッシュ容量:144MB
    • TDP:250W
    • メモリチャンネル数:最大8チャンネル
    • PCI Express 5.0バス:128レーン
  • Xeon 676X
    • CPUコア:32コア(2.8GHz〜4.9GHz)
    • L3キャッシュ容量:144MB
    • TDP:275W
    • メモリチャンネル数:最大8チャンネル(MRDIMM対応)
    • PCI Express 5.0バス:128レーン
  • Xeon 678X
    • CPUコア:48コア(2.4GHz〜4.9GHz)
    • L3キャッシュ容量:192MB
    • TDP:300W
    • メモリチャンネル数:最大8チャンネル(MRDIMM対応)
    • PCI Express 5.0バス:128レーン
  • Xeon 696X
    • CPUコア:64コア(2.4GHz〜4.8GHz)
    • L3キャッシュ容量:336MB
    • TDP:350W
    • メモリチャンネル数:最大8チャンネル(MRDIMM対応)
    • PCI Express 5.0バス:128レーン
ラインアップ Xeon 600プロセッサの全ラインアップと米国における想定販売価格
ボックス リテールパッケージは5モデルが用意される。本文にもある通り、リテールパッケージにはLGA 4710用クーラーを装着するためのアタッチメントが付属している
オーバークロック 型番に「X」が付くアンロック対応モデルについては、Computeダイ/CPUコア単位でのパフォーマンス管理も可能となった
OCCTとコラボ IntelはOCBASEと協業し、OCBASEのチューニングアプリ「OCCT」のWindows版/Linux版でXeon 600プロセッサの細かいチューニングを行えるようにした
パフォーマンス 旧世代とのパフォーマンス比較
FP16 AMXにおいてFP16演算をサポートしたことで、Intelが提供する画像のデノイザ「Intel Open Image Denoise 2.4」ではパフォーマンスが向上するという(本機能はPコア版の「Xeon 6」でも利用可能)
Core Ultraプロセッサとの使い分け デスクトップPC向けの「Core Ultra 200Sプロセッサ」との使い分けについて、Intelでは「用途に合わせて選びましょう」という提案をしている
使い分け もう少し具体的にいうと「シングルスレッド処理を最優先」「CADで使う」という場合はCore Ultra 200Sプロセッサが、「リアルな3Dレンダリング」や「連続代数演算」を重視する場合はXeon 600プロセッサが有利だとしている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月07日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  5. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  6. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  7. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  8. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  9. エイサー、フルHD×2面表示が可能な折りたたみ式15.6型/23.8型デュアルモバイルディスプレイ (2026年11月05日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー