その名はnull4(テトラヌル)――大阪・関西万博の「null2」の次世代パビリオンが2027年の横浜園芸博に“転生” 落合陽一氏が語る狙いとは?null2は2026年中に「null2n」として常設化(2/3 ページ)

» 2026年04月14日 16時00分 公開
[石井英男ITmedia]

null2を「ミャクミャク」から「トゥンクトゥンク」にバトンタッチ

 落合氏と宮城氏の講演では、スペシャルゲストとして、GREEN×EXPO 2027のマスコットキャラクター「トゥンクトゥンク」と、大阪・関西万博のマスコットキャラクター「ミャクミャク」が登場した。2人とも「落合氏の応援に駆けつけた」という。特にミャクミャクの登場については、落合氏にも知らされていなかったとのことで、落合氏にとってもサプライズとなった。

 ミャクミャクは銀色のnull2バトンを手にしており、落合氏の目の前でトゥンクトゥンクへとバトンを手渡した。

バトンパス ミャクミャク(左)がトゥンクトゥンク(右)にバトンを渡して……
受け取った! トゥンクトゥンクが無事に受け取った!

null2は「null2n」として横浜ランドマークタワーで常設化

 ここで、落合氏からもサプライズ発表があった。なんと、null2の“転生”先はnull4だけではないというのだ。

 もう1つの“転生”先として落合氏が紹介したのが横浜ランドマークタワー(横浜市西区)で、ここに2026年度中に常設シアター「null2n(ヌルヌルネクサス)」が誕生する。具体的には、横浜ランドマークタワー内にミラールームを作り、「GREEN×EXPO 2027(が始まるまで)の間のブリッジ」となるという。

 null2nは単にnull2を引っ越した(常設化した)ものではなく、大阪・関西万博のパビリオンと比べてより多くのLEDを使う予定だ。null2nは5つの部屋から構成されており、総面積も大阪・関西万博におけるパビリオンよりも広くなる。そのため、いろいろ新しいコンテンツを作っているそうだ。

 現在、null2n公式サイトにおいてウェイティングリストの登録を受け付けている。ここでメールアドレスを登録しておくと、準備ができ次第優先的に来場予約を行えるそうだ。

サプライズ発表 ミャクミャクとトゥンクトゥンクの目の前で横浜ランドマークタワーにnull2が“転生”すると言った落合氏は……
null2n 転生後の名前が「null2n(ヌルヌルネクサス)」となることを発表した
2つの転生先 null2は、GREEN×EXPO 2027で披露されるnull4と、横浜ランドマークタワーのnull2nの2つの“転生先”を得ることとなる

 最後に、落合氏は次のようにあいさつし、講演を締めくくった。

 まとめると、今日は告知していた「null4」の概要と、何も告知してなかった「null2n」の2つを発表しました。我々としては、テクノロジーとアートと文化が混ざって、そして国のプロジェクトとしてグリーンも大切だし、万博で見たような国際交流も大事で、今も世界が分断されている中で、どうやったらカルチャーや調和をもたらす新しいITやコンテンツを作って日本中が盛り上がっていけるかというところを頑張ってやっておりますので、これからも皆さん応援いただけると幸いです。

囲み取材ではより詳しい説明が

 講演会の終了後、落合氏への囲み取材が行われた。ここで落合氏は、講演会では語られなかったnull4の“中身”をより詳しく説明した。落合氏の発言を幾つかまとめてみよう。

 null2にもあった「3Dスキャンタワー」は、null4でも設置しようと思っている。しかし、列が並び過ぎてしまうと困るので、もうちょっと上手くスキャンできる方式を考え中だ。「ミラードボディー」も進化するというか、「ガウシアンスプラッティング」の再合成も頑張って研究している。

 4つのパビリオンは、それぞれ別のプログラムになる。null4は4棟あるが、これは「テトラレンマ(四句分別)」から取っている。「ある」「ない」「あるけどない」「あるわけではないが、ないともいえない」という4つのモチーフからできているので、それぞれに合わせた展示を今、作っている。パビリオンが回転している間は中に入れないので、止めてから入場者を入れる形になる。前回は室内がメインだったが、今回は滞留構造を作ることで、前回より多くの人が楽しめるようにする。

 null4のコンセプトで一番大きいのは、立地にある。(大阪・関西万博の会場だった)夢洲は埋立で作られた人工島だったが、今回は人工島ではない場所、しかも森でやることになる。そういったときに、どれだけエネルギーを使わずにやるとか、そういったことも重要だ。屋根がない外観で、お客さまが回りにいても楽しめるような設計にするところも1つのチャレンジだ。

 それから、園芸博では植生と植え替えがやはり重要で、季節によって違った花々が姿を見せる。大阪・関西万博のnull2は日照条件や日差しによって全然違う見た目に変わったが、今回は季節によっても外観がガラッと変わっていく。花畑が季節によって違う植生になるので、違う色になっていく。

 そういった意味では、(null4は)「園芸博で花を見るのではなく、構造物を見ているのだけど、実はそれに反射している花を見ている」という、この“循環”した構造が園芸博において面白いパビリオンになると思っている。

 null2の建物はなくなったが、皆さんパビリオンのことを結構覚えていてくれて、ストーリーに転換されている。文脈性がうまく生かされているというのと、外観に強烈な印象を覚えていると思うので、null4でモチーフが似た形が現れてくると、「あれは、どうみてもあれだな」って思うようなことが起こるのではないかと思う。

 null2は何もないところから生まれたIPであることは間違いない。ヌルから始まってヌルに戻る、不思議なパビリオンがあって、それが西から東に旅をして、毎回建つというのは、今までになかなか経験したことのないストーリーだと思う。

 そういった意味では、大阪・関西万博で1000万を超える人が見て記憶してくれたおかげで、次につながっているんだなと思うところがある。つまり、物は残らないけど、記憶や物語は残ったというのが大きいと思う

 null2の公式記録映画である「さようなら、ホモサピエンス」は映画祭に出品する予定で、今後またどこかで見られる機会を作りたいと考えている。

フォトセッション ミャクミャクとトゥンクトゥンクと落合氏。落合氏が持っているのがnull2バトンである

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