これまでのFitbitアプリでは、Googleの「Pixel Watch」など新世代のスマートウォッチと併用しようとすると、1アカウントにつき1デバイスまでしか接続できないという制限があった。
今回のGoogle Healthアプリへの移行に合わせて、ようやく2台同時のペアリングに対応している。Fitbit AirとPixel Watchを同時にペアリングして両方を装着することも、シーンに応じて使い分けることもできる。
アプリ側はデバイスごとの計測データを自動で統合してくれる他、「このデータはどのデバイスで計測されたものか」をフィルタリング表示することもできる。Fitbit Airで取った睡眠データと、Pixel Watchで取った日中の心拍データが、自然な形で1つの健康データとして集約される。
筆者は2023年の「Fitbit Charge 6」のレビューで「日中はPixel Watchなどのスマートウォッチ、寝るときだけFitbit Charge 6という使い分けができると良かった」と書いた経緯がある。Fitbit Airの小ささや軽さと、アプリ側の2台ペアリング対応がそろった今のタイミングは、デュアルウェア運用にちょうど良いと言えるだろう。
Google Health コーチは、Geminiを基盤としたAIコーチング機能で、「Google Health Premium」の加入者が利用できる。料金は月額1580円または年額1万3000円で、Fitbit Air購入時には3カ月間の無料体験が付属する。
なお、Google AI ProおよびUltraのサブスクリプション利用者は、追加料金なしでGoogle Health Premiumの全特典を利用できる。
対話形式でフィットネスプランを作成したり、ちょっとした質問に答えてくれたり。Geminiとやり取りしたことがある人なら、その延長で使えるはずだ。
コーチからのメッセージは、1日を通じて3つのタイミングで届く。朝は睡眠データを基にした体調評価や、当日の推奨ワークアウトなどが提示される。夜(20時半以降にアプリを開くことで表示)は1日の活動の振り返りと、週次プランの進捗確認が行われる。そしてワークアウト後には、心拍数/距離/ペースなどを踏まえたパフォーマンス分析が自動生成される。
これらは今日タブに表示されており、返信ボタンを押すとコーチとのチャット画面に移行する。「今日は少し疲れている」「明日は運動の強度を下げたい」といった状況をテキストで伝えると、プランをリアルタイムで調整してくれる。
コーチへの入力は、テキストだけでなく写真にも対応している。食事の写真を撮って「これを昼食として記録して」と送ると、料理の内容を推定してカロリーとマクロ栄養素を自動で記録してくれる。精度は食品によってばらつきがあるものの、手入力の手間が大幅に省けるのは便利だ。
Google Fitbit Airは「着けていることを忘れられるトラッカー」という点において完成度の高い製品だ。長時間かつ常時装着という使い方に最適化されており、就寝時も含めた継続的なデータ収集という目的にかなっている。
ディスプレイがないことに常時装着のメリットを見いだせない、という人もいるだろう。日中もスマートウォッチを装着しているなら、確かに不要かもしれない。ただ、邪魔になりにくいFitbit Airを装着しておけばフィットネスやヘルスケアのトラッキングは行えるので、手首には自分の好きな時計を身に着けるという選択もできる。
アナログ時計が好きだが、健康管理のためにスマートウォッチやスマートバンドを使ってきたという人にとっては、理想的なデバイスと言えるかもしれない。
計測データはPixel WatchなどGoogle Health(Fitbit)対応デバイスと共有できるので、日中はスマートウォッチ、就寝時にはFitbit Airという使い分けも可能だ。前述の通り複数デバイス対応も実現したため、ハードウェアとソフトウェアの両面から、ようやくこの使い方が成立する環境が整ったといえる。
1万円を切るスマートウォッチも増えている中で、本体1万6800円に加え、フル機能の利用にはGoogle Health Premiumのサブスクリプション(月額1580円)が必要なのは気になるところではある。その意味では、AI健康コーチングという新しい体験カテゴリーへの入口として、その価値を感じられるかどうかが購入の判断軸になるのかもしれない。
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