2026年はスマートグラスというカテゴリーの製品が豊作だ。その多くがメガネのレンズをディスプレイとして情報を映し出せるというもので、AIとの連携機能もある。スマートフォンやスマートウォッチに続く、次なるウェアラブルデバイスとして期待が高まっている。
その中でも、日本でいち早く視界に情報を表示できるHUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載したAIスマートグラスとして本格展開したのが、香港のスマートグラスメーカー、Even Realitiesの「Even G2」だ。同機は4月に一般発売がスタートしている。価格は9万9800円だ。
「Ray-Ban Meta」や「Rokid AIスマートグラス(以下、Rokid)」と並んで、スマートグラス時代の口火を切った製品といえるだろう。
今回はEven G2を実際に使ってみたので、前回に紹介したRokidとの違いも含めてレビューしていこう。
Even G2は、解像度640×350ピクセル、輝度1200ニト、視野角27.5度のマイクロLEDによる表示機構を搭載するスマートグラスだ。視界上には緑色の文字で情報を表示する仕組みで、パススルー率98%をうたうように外の景色をほぼ遮らずに情報を重ねて見られる。
本体には4つのマイクを搭載しており、「Hey Even」のウェイクワードで各機能を呼び出したり、質問したりといった使い方ができる。カメラだけでなくスピーカーも搭載されていないため、情報は全てディスプレイに表示される仕組みだ。
Even Realitiesは公式ページで「あえてカメラは搭載せず。設計思想として、記録ではなく"その瞬間にいること"を大切に」と明記している通り、RokidやRay-Ban Metaなどの他のスマートグラスとは異なり、目の前の景色やモノを撮影することはできない。
しかし、これにはメリットもある。1つはメガネ本体の薄さと軽さを実現できることだ。約36gという数値はRokid(約49g)と比べて約13g軽い。数値としてはわずかな差に思えるが、装着するとその重量差は数字以上に大きく感じられた。Rokidは「ガジェットを身につけている」という感覚があったが、Even G2にはそれがなかった。
さらにカメラユニットを搭載しないことでフレームの自由度が高い。Even G2はフレームが丸みのあるクラウンパント(G2 A)とスクエアのレクタンギュラー フレーム(G2 B)の2種類、カラーはグレー/ブラウン/グリーンの3色から選べる。クリップオン式サングラスもオプションとして用意している。
度付きレンズへの対応範囲が広いのもポイントだ。クリップオンタイプではなく、レンズそのものを度入りに交換する仕様で、度数は−12.00Dから+12.00Dまでカバーする。
レンズ素材は三井化学のMRシリーズ(屈折率1.60/1.67/1.74)から選択できる。家電量販店で本体を購入した後、全国の認定眼鏡店で度付きレンズを入れる流れもしっかりと整備されており、既存のメガネからスムーズに移行して日常で利用できる。
バッテリー駆動時間は最大2日間持つため、小まめな充電も不要だ。各種機能を頻繁に使うとやや短くなる印象だが、就寝時や入浴時などに充電ケースに収納すれば問題なさそうだ。
カメラを搭載しないことの最大のメリットはプライバシーへの配慮と、盗撮などを疑われないことだ。Even G2はカメラを搭載していないため、どこで着用していても周囲に盗撮の不安を与えない。また、それと同時に「盗撮している」と思われるリスクもない。
実際、筆者の周辺にいる50人ほどの男女にスマートグラスに関するアンケートを取ったところ、最も多かったのが、男性からの「盗撮していると思われたくないから使いたくない(普及しない)」という意見だった。
実際にRokidを装着した状態で電車などの公共交通機関に乗った際は、少し不安を覚えた経験もある。カメラを搭載しないEven G2なら、その心配がない。
既に日本やアメリカの一部の州で、カメラ付きスマートグラスの規制の話も出ているという。しかし、Even G2ならそういった場面でも利用できるかもしれない。ただし、海外の高級店ではカメラの有無に関わらず、スマートグラスの持ち込み自体を禁止している店もあるそうだ。
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