Googleは10月9日、新型スマートウォッチ「Pixel Watch 4」を発売した。価格は45mmのLTEモデルが7万6800円、同Wi-Fiモデルが5万9800円、41mmのLTEモデルが6万9800円、同Wi-Fiモデルが5万2800円だ。
Pixel Watch 4は見た目の変化こそ少ないが、日常での使いやすさを磨いた完成形に近いアップデートという印象を受ける。心電図(ECG)機能が使えるようになったのに加え、同社のAIアシスタント「Gemini」の新機能追加など、日常の使い勝手を向上させる改良が盛り込まれている。
このPixel Watch 4を発売前に数日間使ってみたので、実際の使用感を中心にレポートしよう。
Pixel Watch 4の注目ポイントは、心電図(ECG)機能の日本での解禁だ。実は、ECG機能自体はPixel Watch 2から搭載されていたが、これまで国内では利用できなかった。Pixel Watch 4の発売に合わせて、ようやく日本でも使えるようになり、「Pixel Watch 3と「Pixel Watch 2」でもアップデートで利用可能になる。
ECGの使い方は極めてシンプルだ。「Fitbit ECG」を立ち上げ、竜頭(リューズ)に指で触れて、30秒間じっとしていれば測定が完了する。測定結果は「洞調律」「心房細動(AFib)」「不確定」の3つで表示される。
実際に何度か測定してみたが、30秒という時間は思ったより長く感じるが、そう頻繁に計測する内容でもないので問題ないだろう。朝起きた時、仕事の合間、就寝前など、気になったタイミングで気軽に測定できるのは便利だ。
測定結果はスマホのFitbitアプリでも確認でき、「心房細動」と判定された場合には、測定結果をPDFとして出力して医療機関に提示することも可能だ。
指を当てて計測するという性質上、心電図はリアルタイムで24時間計測できるものではない。これは機能的に先行していたApple Watchも同様だ。しかし、Apple Watchには不規則な心拍を計測した場合に通知する機能があるのに対し、Pixel Watchには今のところこの機能はない。
高心拍数や低心拍数の通知機能はあるが、心房細動の兆候となる不整脈の検出(不規則な心拍の検出)とは意味合いが異なる。
おそらく、多くの人が使いたいと思っているのは、心電図そのものではなく、この不整脈の検出の方だろう。今後のアップデートでの対応を期待したいところだ。
もう1つの大きな機能追加が、Geminiの「腕をあげて話す」機能だ。
Gemini自体は、Google アシスタントの代わりとして、Pixel Watch 3などでも利用できるようになっているが、「OK Google」などのホットワードを発するか、サイドボタンの長押し、画面のタップなどの操作が必要だった。しかしPixel Watch 4では、腕を上げるだけでGeminiが待機状態となり、そのままGeminiへ指示を出せる。
例えば、外を歩いているときにふと思いついたアイデアを、そのまま音声メモとして残したい場合、片手でカバンを持っていても問題なく操作できる。また料理中、手が濡れていたり食材を触っていたりする状態でも、「大さじ1は何ml?」といった質問をすぐに解決できる。
ただ、筆者のやり方が悪いのかもしれないが、試した範囲では、認識精度は7〜8割程度だった。腕の上げ方や角度、スピードによって反応しないこともある。
それでも、「OK Google」だとスマートフォンやNestスピーカーが反応してしまう問題を避けられるのは大きなメリットだ。
なお、Pixel Watch 4はスピーカーが強化されており、Geminiに最適化されているとのことだ。確かに、Geminiの音声はかなり明瞭に聞こえる。
スピーカー回りの面白い機能として、Pixel Watch 4には水抜き機能が追加された。Pixel Watchは従来モデルから5気圧防水に対応しており、水泳などに利用することができた。しかし、水の中で使用した後は、スピーカー部に水が入り、音がこもったり、小さくなったりすることもある。
水抜き機能は、こういった問題を解決するため、水泳などで使用した後にスピーカーから水を排出するという機能だ。長時間水の中にあった場合、自動的に排出を行うが、クイックメニューから手動で排出も行える。
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