完全ワイヤレスなのに有線クラスの低遅延を実現! Razerのワイヤレスイヤフォン「Hammerhead V3 HyperSpeed」を試す(2/3 ページ)

» 2026年07月06日 12時00分 公開
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接続方式を選べる柔軟性がうれしい

 Razer Hammerhead V3 HyperSpeedは、接続回りの仕様が最大の特徴といえる。

 冒頭で触れた通り、本製品はRazer独自で低遅延重視のHyperSpeed Wirelessと、汎用(はんよう)性の高いBluetooth 6.0の両方に対応する。独自無線に対応しているワイヤレスイヤフォンというと、USBアダプター(ドングル)が欠かせない。その点、本製品は充電ケースがUSBアダプターになることがユニークである。

 「HyperSpeed Case」と名付けられたこの充電ケースは、厳密にいうとケース中央にUSB Type-C接続のHyperSpeed Wirelessドングルを格納できる設計で、ドングルをケース内に収めたまま、ケースのUSB Type-C端子経由で接続できる。ケースごと接続すれば、ケースを充電しつつHyperSpeed Wirelessによる低遅延伝送を利用できる。

 もちろん、ドングルを取り出してPCなどのUSB Type-C端子につないでも構わない。

ケースを開ける 充電ケースを開けたところ。ステータスは、前面のLEDインジケーターで確認できる

 この「ケースに入れたままドングルを使える」という設計が、実際の運用で便利さを発揮する。PCにケースを接続したままゲームをプレイし、終わったらイヤフォンをケースに戻す――この運用を習慣付けることができれば、バッテリー切れを気にする場面はほとんどない。

 「ドングル式で低遅延」というワイヤレスイヤフォンは他にもあるが、使う/戻す/充電するという一連の流れで“完結”できる本製品は、ゲーム用途での取り回しという観点で、他製品よりもやや優位に立っている。

 HyperSpeed Wireless接続とBluetooth 6.0接続の切り替えは、左右いずれかのイヤフォンを3回タップするだけで行える。PCであればRazerのユーティリティーアプリ「Razer Synapse」から切り替えることも可能だ。「ゲームはHyperSpeed Wirelessで、移動中はBluetoothで」といった使い分けがしやすい。

ドングル ケースの中央に格納されているのが、HyperSpeed Wirelessドングルだ。取り外してデバイスのUSB Type-C端子に直接接続することもできる
充電ケース 充電ケースの底面にはUSB Type-C端子とペアリングボタンを備える。HyperSpeed Wirelessドングルが格納されている場合、この端子を経由してデバイスと接続できる

対応機器が幅広いのも強み

 本製品は対応プラットフォームも幅広い。Windows PCやMacはもちろん、PlayStation 5やNintendo Switch、Steam Deckといったゲーム機までカバーしている。ドングルをケースから外してスマートフォンやタブレットに挿挿入すれば、モバイルゲームでも低遅延で楽しめる。

 外出先で遅延を抑えたい場面において、ドングル単体でも接続できるのは有用だ。

ドングル単体 ドングルをスマートフォンのUSB Type-C端子に挿せば、モバイルでも低遅延で使える

 本製品はBluetooth 6.0でも接続できるため、普段使いの汎用イヤフォンとしても活用可能だ。

 2.4GHzドングルに対応するゲーミングイヤフォンは、実は「Bluetooth非対応」だったり、「Bluetoothに対応しているけど簡易的」だったりすることもあるが、本製品の場合はBluetooth接続でも便利に使うことができる。ゲームと日常使いを1台でこなせる懐の深さを感じるところだ。

HyperSpeed Wirelessでゲームが快適に 音回りもチェック

 肝心の低遅延性能だが、結論からいえばゲーミング用途で不満を感じる場面はない

 まずHyperSpeed WirelessでPCに接続してゲームを楽しんでみたのだが、レスポンスは有線イヤフォン/ヘッドフォン並みで、遅延によってプレイ感に支障が出ることはなかった。 銃声や足音といった位置把握が重要な情報が、操作とズレなく耳に届く。完全ワイヤレスイヤフォンであることを忘れてしまうほどだ。

 「ワイヤレスの手軽さ」と「有線級の低遅延」を両立できている点は、素直に評価したい。

接続イメージ ケースごとPCに接続すれば、イヤフォンを充電しながら低遅延でプレイできる

音は癖のない「フラット寄り」

 本製品のドライバー(スピーカー)は口径11mmで、周波数特性は20Hz〜20kHzをカバーする。PC接続時にはTHX Spatial Audioによる仮想7.1ch再生も可能で、ゲーム内の音の広がりや定位を立体的に再現できる(PCにRazer Synapseをインストールする必要がある)。

 音の傾向は、どちらかといえばフラット寄りだ。個人的な感想を述べると、オーディオメーカーの高音質イヤフォンのような「華やかさ」や「色付けの強さ(個性)」は控えめで、あくまでゲーミング特化という印象を受けた。

 裏を返せば、特定の帯域を過度に強調しないぶん、足音や環境音といった情報を素直に拾える。競技性の高いタイトルでは、この「癖のなさ」「素直さ」がむしろ扱いやすさにつながる。

 音楽鑑賞でも破綻なく聞こえるが、リスニング用の高音質モデルと張り合うような「濃さ」を求めると、やや物足りなさを感じるかもしれない。後述するイコライザーでプリセットの切り替えや帯域ごとの調整ができるので、音の傾向を好みに寄せていく余地はある。

 ゲームを主役に据えつつ、普段使いもこなせる。そうした位置づけのチューニングと捉えるのがよさそうだ。

ノイズキャンセリングはハイブリッド方式

 ノイズキャンセリングはハイブリッド方式のANCで、Razerによると「前世代比で最大50%のノイズ低減」を実現したという。

 実際に使ってみると、空調音のような環境音はしっかりと抑え込まれ、ゲームや音楽への没入感を高めてくれる。静寂性を突き詰めたノイズキャンセリング特化型の製品には及ばないものの、ゲームに集中するという目的には十分な効果を与えてくれる。

 外音取り込みの性能もまずまずで、不自然さは覚えない。装着したまま家族の呼びかけやインターフォンに気付ける程度には機能するので、補助的な機能としては十分使える。

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