マウスコンピューターが「24時間365日」の国内サポートを貫く理由 “ゆいまーる”の精神と最新AIで臨む「沖縄コンタクトセンター」潜入ルポ(2/3 ページ)

» 2026年07月17日 12時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

地域貢献が丁寧なサポートを生む 開設から約20年の歩み

 4拠点あるコンタクトセンターの中で、最も歴史が長く、最大の規模を誇るのが「沖縄コンタクトセンター」だ。

 2005年10月にアウトソーシングで開設された後、2010年の自社化を経て、2016年にはLINEチャットやメール対応を開始し、2022年には現在の広いオフィスへと移転。リモートワーク環境の整備や、台風に備えた自家発電機の導入などBCP対策も強化されている。

沖縄コンタクトセンターの様子。窓がないのは、近くに米軍基地があるためだという。手前に見えるチームが、通販やWeb、店舗などの窓口を担当する「セールスサポートグループ」だ
ユーザーからの問い合わせに対応できるよう、ノートPCの実機が用意されている
こちらはデスクトップPCやiiyamaブランドの液晶ディスプレイ
いざという場合に備えて、非常食や保存水、簡易トイレなどを備蓄している。3日分に相当する電力も確保済みだという

 同社 サービス本部 副本部長の上原直哉さんは、沖縄拠点の強みを「人柄」だと評価する。

 「スタッフの平均勤続年数は約9年と長く、沖縄特有の『ゆいまーる』(助け合い)の精神で、ベテランが若手を丁寧にフォローする体制が根付いています。また、地域貢献活動にも力を入れており、近隣の小学校で平日毎日実施する登校時の見守りや、月1回の読み聞かせ活動をスタッフが自発的に行っています」

同社 サービス本部 副本部長の上原直哉(うえはらなおや)さん

 この活動を主導する同社 サービス本部 コンタクトセンター サポートグループ長の萬代洋子さんは「小学生は真剣に聞いてくれて、その反応がスタッフの励みになっています。相手の反応が見えにくい電話対応の業務においても、お客さまの様子を想像して丁寧にコミュニケーションをとる意識付けにつながっています」と、その相乗効果を語ってくれた。

同社 サービス本部 コンタクトセンター サポートグループ長の萬代洋子(ばんだいようこ)さん
アフターサポートを担う「カスタマーサポートグループ」のうち、電話対応を行う「サポートコールチーム」
同じくカスタマーサポートグループでメールやチャット、LINE対応を担う「オンラインチーム」。電話対応が不要なのでヘッドセットは装着せず、マルチな画面で対応している
FAQやチャットボットなどの公開情報を管理し、各グループを横串に見ていく「CS改善グループ」
5月に入社したばかりの新メンバーが、ちょうど研修を受けていた。この役割はCS改善グループが担う

従業員の働きやすさが顧客満足を生む 24時間365日体制の裏側

 PCメーカーが、直営による24時間365日の国内サポートを維持するのは容易ではない。しかし、同社はそれを「最大の強み」と捉え、投資を続けている。

 「国内サポートにこだわる理由は、一言で言えば『スピードと品質』に尽きます。日本人が求めるホスピタリティーや顧客対応の丁寧さはもちろん、広島に修理拠点を新設したことで、西日本エリアのお客さまへの輸送時間を1日短縮できました」(飯沼さん)

 また、この体制を支えるため、オペレーターのシフトは20種類以上も用意されているという。

自社スタッフによる運営を極めるべく、多彩なシフトを用意して従業員の満足度向上にも努める
オペレーターのみなさんが一息つくための休憩室。奥にロッカールームがある。壁にはBリーグに所属する「琉球ゴールデンキングス」のサイン入りユニフォームが飾られていた
休憩室をはじめ、会議室など社内各所の装飾も総務のメンバーが手掛けており、こだわりのポイントだという

 同社 サービス本部 コンタクトセンター センター長の阿利謙さんは「問い合わせの量や時間帯に合わせた人員配置を行うだけでなく、スタッフ一人ひとりの生活リズムや働き方のニーズに合わせることで、無理なく24時間365日体制を維持できています」と説明する。

 これに対し飯沼さんも、「コストや効率だけを考えれば、ここまで細分化しません。このシフトの数には、従業員に働きやすさを提供したいという会社のメッセージが込められています」と補足した。

同社 サービス本部 コンタクトセンター センター長の阿利謙(ありけん)さん

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