TV事業合弁化の裏で「音響」を残した理由とは? エンジニア出身・ソニー田中新社長の挑戦(2/6 ページ)

» 2026年08月24日 12時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

リアルとバーチャルの融合を加速させるソニー「XYN」

 ソニーが提案するフィジカルAIの具体的な事例の1つが、「XYN(ジン)」である。

空間コンテンツ制作支援ソリューション「XYN」

 XYNは、ソフトウェアとハードウェアを統合した空間コンテンツ制作支援ソリューションであり、イメージングやセンシング、ディスプレイなどのソニー独自のテクノロジーを生かして、現実空間のオブジェクトや人の動き、背景を正確に捉え、これらをデジタル環境の中で再現する。

 リアルとバーチャルの融合を加速させ、メディア&エンタテインメント分野や産業分野などにおける3DCG制作を支援することになる。

 XYNでは現在、作業改善のためのAIとしての活用が中心だが、今後は他社のサービスも横断した利用ができるようにして、Agentic AIとしての活用を促進する。さらに、クリエイターの好みや、制作物のクセなどの「らしさ」が反映できるパーソナライゼーションにより、個人作業に特化した進化も遂げることになるという。

XYNで提供するアプリケーション群
開発中の俯瞰(ふかん)式空間コンテンツ制作ツール。裸眼で立体視ができる

 また、XYNなどのソリューションは、ソニーが2026年2月に、東京・品川のソニーグループ本社内に開設した共創拠点「Digital Media Production Center Japan」(DMPC Japan)で体験できる。

 DMPC Japanは、米国、英国に次いで、世界3カ所目の拠点として開設された。最新の撮影機材の試用をはじめ、バーチャルプロダクションによる撮影やXRを活用した空間コンテンツ制作、ポストプロダクション、テスト上映まで、映像制作に関するワークフロー全体を一貫して検証でき、グローバルな制作手法や知見、成功事例も共有できる。

東京・品川のソニーグループ本社内に開設した共創拠点「Digital Media Production Center Japan」(DMPC Japan)

映像制作の課題を解決し、次世代を育成するソニーの「フィジカルAI」

 ソニーとクリエイターが、新たな映像表現手法や制作現場の課題解決に取り組む実践的な環境を提供する。さらに、世界各国の撮影監督や撮影技師、ポストプロダクションチームなど、第一線で活躍するプロフェッショナルが集い、対話や共同作業を通じて交流する場としても活用する他、将来的には、空間コンテンツ制作に携わる次世代クリエイターを含む、今後の映像制作を担う人材育成の拠点としても活用する。

 「映画産業は、多くの人たちのすり合わせによって、素晴らしい作品を生んでいる。だが、そのために莫大(ばくだい)な時間と工数をかけている。XYNやバーチャルプロダクションなどの技術を提供することで、こうした課題を解決すると共に、感動体験の提供を支援するエンタテインメントソリューションを広げていくことができる。これが、ソニーのフィジカルAIになる」と述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月24日 更新
  1. RTX 5080は30万円の時代へ――止まらないグラボ高騰の中で6万円台前半の16GB版Radeon RX 9060 XTなど、お盆明けアキバ事情 (2026年08月22日)
  2. OpenAIが最新モデルに対する強化学習を2週間中断/LLMCが約332億パラメーターの「LLM-jp-4 33B」を公開 (2026年08月23日)
  3. 全部入りの「Rokid」か、特化型の「Even G2」「Ray-Ban Meta」か? 注目スマートグラス3製品を徹底比較 (2026年08月21日)
  4. 文字起こしと要約がずっと無料のAIボイスレコーダー「Comu Action Pro」発売 9月20日まで2万9800円 (2026年08月20日)
  5. “23万円台の最新Let's note”を自らの手で組み上げる! パナソニック コネクト「手づくりレッツノート工房2026」体験記 (2026年08月21日)
  6. サンワ、USBハブ+引き出しを備えたディスプレイ台 (2026年08月21日)
  7. 複数端末を高速で一括充電したい人に適した「UGREEN 145W 4-in-1モバイルバッテリー」がセールで37%オフの1万3507円に (2026年08月21日)
  8. ビジネスシーンにもなじむチタンボディー! 本格ランウォッチ「Amazfit Cheetah 2 Pro」を日常使いしてみた (2026年08月19日)
  9. グラボ高騰が止まらない! RTX 5090は100万円超えの可能性も、「組むなら8月中」の声 (2026年08月15日)
  10. 総メモリ748GB、AI性能20PFLOPS! デルがGB300搭載のワークステーション「Dell Pro Max with GB300」を発売 (2026年08月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー