レビューにあたって実機を手に取ると、その想像以上の小ささと軽さに驚かされた。ポケットやバッグのわずかなスペースにスッと収まり、身に着けていることすら忘れてしまいそうだ。物を落としがちな筆者としては、万が一なくしても気付かないのではないかと不安になるほどのサイズ感である。
電源を投入すると、コンパクトなディスプレイに視認性の高いレトロ調のUIが表示される。ボタン類による操作体系もシンプルかつ直感的だ。再生/一時停止や曲送り、音量調整、イコライザー設定などの基本操作を初見でも迷うことなく行え、FIIOらしいこなれたUIに仕上がっていると感じた。
ハイレゾ対応の有線イヤフォン(Galaxy S8+付属の「AKG EO-IG955」)を接続して聞いてみると、そのコンパクトさからは想像できないほど音の解像感が高く、ボーカルの吐息まで生々しく伝わってきた。思わず「ハイレゾ楽曲を買っておいて良かった!」と頬が緩むクオリティーだ。
イコライザーには、レトロ/バス/ヘヴィ/ポップ/ジャズ/ユニークという6種類のプリセットが用意されている。チューニング自体は控えめで、例えばヘヴィからポップへ切り替えた際にも、高音域がわずかに強調される程度の大げさすぎない変化だった。
せっかくなので、USB DAC機能も試してみた。接続先はミドルスペックのタブレット「Lenovo TAB8」と、モバイルノートPCの「GPD MicroPC 2」だ。どちらも3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しているため、USB DACを通した場合との音質の違いを検証しやすい。
Lenovo TAB8での検証には、ハイレゾ再生対応アプリ「Onkyo HF Player - ハイレゾ音楽プレイヤー」を利用した(USB DAC出力機能は課金解放済み)。
タブレット単体のジャック経由では悪くないものの、平たんだったサウンドがECHO NANOを通すことで全体的に粒立ちの良い音へと変化した。Lenovo TAB8自体もハイレゾやDolby Atmosに対応するなど音響面に力を入れた端末だが、それでもはっきりと違いが分かるほどの向上に驚かされた。
ECHO NANOの効果をより強く実感できたのは、GPD MicroPC2での検証だ。同機はハイレゾ再生に対応しておらず、標準のイヤフォンジャックにAKG EO-IG955を直接挿しても、全体的にくぐもった音が流れてくる。
しかし、ECHO NANOをUSB DACとして利用すると、驚くほど音質がクリアになった。この音質改善効果はPC内のハイレゾ楽曲に限らず、YouTube MusicやAmazon Music Primeといったストリーミング音源でもしっかりと確認できた。
最近のスマートフォンやタブレットはハイレゾ再生に対応するモデルが増えているが、PC(特にビジネス向け)のオーディオ回路は“音が鳴れば良い”程度にとどまることも少なくない。そうしたデバイスの音質を手軽に底上げする目的でも、1万3200円のECHO NANOは十分に役立ってくれるはずだ。
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