PCMark 10と3DMarkのスコアを見れば分かる通り、ROG XBOX Ally X20と先代のROG Xbox Ally Xの性能差は“ない”と見てよい。
では重量級ゲーム(AAAタイトル)はどこまで楽しめるのか――実際のゲームタイトルで平均フレームレートをチェックしてみよう。
発売からそれなりに時間はたったものの、「Cyberpunk 2077」は今でも重量級ゲームの“定番”になっている。このタイトルはゲーム内でベンチマークテストが行えるので、テストモードを使って平均フレームレートを計測してみた。
画質設定は起動時に自動選択された「レイトレーシング:低」とした上で、ディスプレイ解像度は1920×1080ピクセルとしている。結果は以下の通りだ。
わずかだが、ROG XBOX Ally X20の方が平均フレームレートが高い。わずか数フレーム差だが、ゲームによっては確実に「動きがよくなった」と感じられるだろう。この結果はかなりポジティブだ。
ただし、繰り返しにはなるが、ROG Xbox Ally Xもデバイスドライバを最新版にすればROG XBOX Ally X20と同等の結果になると思われる。いずれにしても、ROG Xbox Ally Xも含めて1年前よりもゲームをより快適に楽しめるようになったといえる。
なお、Cyberpunk 2077はAMDの超解像/フレーム生成技術「FidelityFX Super Resolution(FSR)」に対応している。この機能を有効化すれば、平均フレームレートは60fpsを超える。
重量級ゲームタイトルの設定で、FSRやフレーム生成を有効にできる場合は、積極的に利用するといいだろう。
以前のテストでは、「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマードコアVI)」の平均フレームレートを計測していた。今回も、このタイトルを実際に遊んで平均フレームレートをチェックしてみよう。
描画解像度は1920×1080ピクセル、画質設定を「最高」、上限フレームレートを「120fps」(設定上の限界)とした上で、ゲーム前半の関門ステージ「ウォッチポイント襲撃」を遊んだ際の2分間の平均フレームレートを「CapFrameX」で計測した結果は以下の通りだ。
両者の平均フレームレートは僅差だが、いずれも画質設定をもう少し低くすれば平均60fps超で遊べる。
ROG XBOX Ally X20では多くのPCゲームが遊べると考えていいだろう。
最後に、ROG XBOX Ally X20バッテリー稼働時間と発熱の様子もチェックしてみよう。
ROG XBOX Ally X20はポータブルゲーム機なので、バッテリーで十分な時間遊ぶことを期待している人も多いだろう。そこでPCMark 10のバッテリーベンチマーク機能を利用して、満充電(100%)から強制的に休止状態に入るまでの駆動時間を確認した。
シナリオは3DMarkのテストを一部取り入れた「Gaming」としている。休止状態に入るまでにかかった時間は以下の通りだ。
ROG XBOX Ally X20は、バッテリーの定格容量もROG Xbox Ally Xから据え置きの80Whとなっている。消費電力面で不利になりやすいとされる有機ELディスプレイを搭載した分、バッテリー駆動時間にマイナスの影響があると考えていたのだが、差はほぼ出なかった。
ベンチマークテストなので、省電力になったスティックの影響などは結果に加味されていない。しかし3時間弱のゲーム動作は、十分に長いといってよい。旅行に例えると、東海道新幹線の東京〜新大阪間に乗車する時間(約2時間25分)は給電なしで楽しめそうだ。
余談だが、今回のテストに際して、ROG XBOX Ally X20に筆者のSteamの「積みゲー」をいろいろインストールして遊んでみたのだが、Cyberpunk 2077のような重量級のゲームで2時間強、かなり軽めのゲームタイトルなら3時間半ほど遊ぶことができた。
「バッテリー駆動で1日中遊ぶ」の厳しいが、ほどほどにゲームで遊ぶのに疲れる頃には本体を充電しないといけなくなると考えれば、十分なバッテリー稼働時間ともいえそうだ。
本体の発熱は、ゲームプレイ直後の様子をFLIRのサーモカメラ「Flir One Pro」で撮影してチェックしてみた。
吸排気を行う本体の背面〜上部、そしてマザーボードと重なるディスプレイ部分は40度近くまで上昇する。しかし、パッド部分は全くといっていいほど温度が上がっていない。手に持つ(握る)部分を“避けて”放熱できている様子が伺える。
実際に長時間ゲームを遊んでも「手に汗握る」状態にはならず、快適に遊ぶことができた。
一般的なゲーミングノートPCの場合、放熱の都合でパームレストやキーボード面が熱を持ってしまうことも珍しくない。これにより長時間プレイすると、知らず知らずのうちに手汗をかいてしまい、それがプレイミスにつながることもある。
ROG XBOX Ally X20のようなハンドヘルドタイプのゲーミングPCと直接の比較はできないが、ゲームプレイ時にそうしたミスやエラーが起きづらいというのは、ゲーマーにとって見逃せないハードの作りこみといえる。
ROGブランドの創設20周年を記念する製品として、ASUS JAPANからはROG XBOX Ally X20以外にもマザーボードやグラフィックスカード、キーボードやマウスなど多数の「20周年記念製品」が発売されている。
その中でも、本製品は“単体で”ゲームを楽しめる唯一の存在で、既に持っているPCと組み合わせて使える。もちろん、パーツを組み立てる必要もない。ポータブルゲーミングPCという特性も相まって、ファンアイテムとして「持って人に自慢できる製品」に仕上がっている。
性能面では先代のROG XBOX Ally Xから大きな変化はないものの、ポータブルゲーミングPCとして重量級のゲームタイトルも十分に遊べる上に、パッドのスティックや十字キーの改善といったゲーマー目線で使いやすい改善も施された点は見逃せない。
惜しむべきは、直販ベースで25万8800円という価格だ。先代の発売時の直販価格が13万9800円だったことを考えるとかなりの値上がりぶりではあるものの、昨今のメモリやSSDの価格高騰の状況を踏まえると、意外と頑張った値付けとも見なせる。
決して安いとはいえないが、競合製品と比べた際の価格や、「20周年記念アイテム」であることを考慮に入れると、「ちょっと頑張ってでも欲しい」と思えるし、手の届きそうな価格設定ではある。
2026年秋以降も、注目のPCゲームタイトルの発売が控えている。それらを場所やプレイスタイルを問わず遊ぶための1台として、本製品を検討してみてはどうだろうか。
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