米Microsoftは2026年10月15日に、「What’s new in Windows 11: Everyday experiences, reimagined」と題したブログ記事を投稿し、一連の機能改善の成果を報告している。
一部は既に中間報告でも触れられていたが、今回の報告ではWindows 11のレスポンスが最大20%改善された他、8GBの本体メモリでも最大2GBのアクティブなユーザー空間が確保され、ストレージへのスワップアウトによる低速化が抑えられると述べている。
その秘密は「必要なものを必要なときにのみ実行」というメモリ節約策であり、これによりオーバーヘッドの発生と余計な“アイドル時”のメモリ消費を防ぐというもの。ある意味で当たり前の施策ともいえるが、これまで潤沢にメモリがあることを前提に組まれていたプログラムを見直すことで、メモリ価格が高騰する時代に対応していこうという狙いだ。
ただ、気になるのは、こうした一連の試みがProject Odeonの存在と相反するのではないかという点だ。
前述のようにProject Odeonのパッケージサイズは圧縮済みの状態で200MB以内であり、アセット全体を展開してもそれほど巨大にはならないと思われる。
加えて、パッケージ内で呼び出される各機能はDLL単位で細かく分離されており、しかも必要に応じて実行・終了する形になるため、実際の常駐メモリも抑えられるとみられる。
一方で、これまでOSと一体化していたモジュールをストアアプリとして切り出すと、.NETのランタイムなどの重複部分が発生するため、従来よりもオーバーヘッドは大きくなるとみられる。
現在、MicrosoftはWindows 11のシステムモジュールをWinUI 3+XAMLで書き直し、(WebView2と比べた)軽量化を図っている。とはいえ、Win32時代の大きな遺産であるコントロールパネルと比べればリソース消費の肥大化は避けられず、Project Odeonへの移行によって、最終的にシステム全体の消費リソースは増加することが見込まれる。
新しい設定アプリの作り方にもよるが、いずれは“よりリッチ”な外観を伴う方向へと向かうはずだ。そうなれば、8GBメモリでの軽快動作に向けた今回の取り組みで生まれた余裕も、近い将来“モダン”なUI/UXによって再び食いつぶされるのではないかと筆者は予想している。
メリットとデメリットはトレードオフの関係にあるが、Windowsがシステムリソースを圧迫する状況は今後も続くのかもしれない。
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