仙台で始まった“iPhone+リアル店舗”の「近未来ショッピング」(1/2 ページ)

» 2009年09月14日 16時47分 公開
[山田祐介,ITmedia]
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 三井不動産とクウジットは9月11日、ショッピングモール「三井アウトレットパーク 仙台港」で、iPhoneを利用した「近未来のショッピングイベント」を開始した。位置情報システムを利用してフロアガイドや店舗の最新情報を提供するほか、拡張現実(AR)を利用した“電脳キャラクター”によるゲームも楽しめる。イベントは10月12日まで。

 期間中は来場者向けに50台の専用アプリ入りiPhoneを用意し、iPhoneユーザー向けにはApp Storeでのアプリ提供も順次開始する予定だ。イベント初日に行われた体験会から、取り組みの展望と、実際にアプリを利用した様子を紹介する。


紙で伝えきれない情報を端末から――

photo 三井不動産 東北支店 次長の浜武浩氏

 今回の取り組みは、創業1周年を迎える三井アウトレットパーク 仙台港の記念キャンペーンに合わせて実施される。「これまでリアル店舗では、フロア案内や店舗の情報を紙で提供してきたが、紙媒体は更新頻度や情報量の制限があり、伝えられる情報は限られていた。しかしPCに近い性能を備えるiPhoneなら、さらに多くの情報を提供できる」――そう語るのは、三井不動産 東北支店の浜武浩次長だ。浜武氏はクウジット代表取締役社長の末吉隆彦氏とともに、2009年の2月ごろから企画に着手。期間限定で実施される今回のイベントに向け、限られた予算と時間の中でサービスを作り上げてきた。


photo 体験会にはクウジット代表取締役社長の末吉隆彦氏も出席し、アプリの概要を説明した

 提供するアプリケーションは2種類で、メインのアプリ「i-MOP 仙台港」では、端末の位置情報と連動したフロアマップや、店舗のセール情報などが閲覧できる。さらに、電脳キャラクターの「おふにゃん」が時折姿を現し、ユーザーの現在地に近いショップの情報などを提供する機能も備えた。

 位置情報の検出には、クウジットの無線LANのアクセスポイントから位置を検出する「PlaseEngine」の技術が使われている。各エリアごとにアクセスポイントを設置し、近づいたユーザーを検出して位置を特定するもので、条件がそろえば3メートル単位で位置を検出することができるという。市販の無線LANを利用できるため、低コストで容易に設置できるメリットがあり、ARアプリとして注目を集める「セカイカメラ」のデモンストレーションなどにも利用された。


photophoto 「i-MOP 仙台港」では、メニュー画面からのショップ情報検索(写真=左)と、位置情報と連動したフロアガイド(写真=右)が主な機能だ

 もうひとつのアプリ「遊んでにゃ!」は、クウジットのマーカー型AR技術「KART(Koozyt AR Technology)」を利用したエンターテイメントアプリだ。施設内に隠されたおふにゃんのマークにカメラを向けると、画面からおふにゃんが飛び出して、施設に関するクイズを出題する。また、5つの問題をクリアすれば、プレゼントがもらえるインセンティブも設けた。

photo おふにゃんシルエットにカメラをかざすと、おふにゃんが画面から飛び出し、クイズを出題する

なぜ期間限定なのか?

photo 三井アウトレットパーク 仙台港

 単なるショッピングに留まらず、さまざまな楽しさを提供したいという施設の理念から、今回の“近未来のショッピング”は実施された。しかし、アウトレット施設でのモバイル端末を利用したショッピングは、楽しさだけでなく、施設の特性から見てもメリットがあるという。

 アウトレットでは季節の過ぎた商品やB級品などを低価格に提供するが、「お得品、新しい商品がその時々で入れ替わり、その情報がなかなかお客様まで届かない」(浜武氏)という問題を抱える。しかし、モバイル端末を活用すれば、位置情報でユーザーがどのショップにいるのかを把握し、最新の“お買い得情報”をショップごとに提供できると浜武氏は説明する。さらにいえば、端末からプッシュでお得情報を配信することで、“お目当ての店”以外にユーザーを誘い込むことも容易になるだろう。

 こうした魅力を持つiPhoneの近未来ショッピングだが、残念ながら期間は約1カ月の限定となる。iPhoneユーザー以外に同じサービスを提供できないために、継続的な企画にはしないという。「1キャリアの端末のみにサービスを提供しては、他キャリアの端末を使われているお客様にとっては不満になる」(浜武氏)

 また、iPhone以外の端末へアプリを提供する見通しも現時点ではない。「iPhoneのように、確立されたプラットフォームがほかにない」ことが、その理由だという。さらに「例えプラットフォームができても、それがコロッと変えられてしまえば、それに合わせてアプリを作り直すコストが掛かってしまう。大手3キャリアのプラットフォームが揺るぎないものになった時点で、継続的なサービスの提供を検討したい」と浜武氏は説明した。

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