スマートフォン普及のカギは「つながり」の提供――「Windows Mobile 6.5」の戦略(1/2 ページ)

» 2009年10月14日 16時23分 公開
[日高彰,ITmedia]
photo マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部長の越川慎司氏

 「CEATEC JAPAN 2009」のカンファレンスセッションで7日、マイクロソフトで日本国内のWindows Mobile事業を統括する越川慎司氏が登壇し、海外で搭載製品が正式発表された「Windows Mobile 6.5」について説明を行った。

 Windows Mobile 6.5は、今年2月にスペイン・バルセロナで開催された展示会「Mobile World Congress 2009」で発表されたスマートフォンOS。発表から半年強が経った10月6日、世界で同OS搭載機種が発売されることが正式にアナウンスされた。

 マイクロソフトは世界的なブランディング戦略として、今後Windows Mobileを搭載したスマートフォンを「Windows phone」と呼ぶ方針を強調している。年内に発売されるWindows phoneは30機種以上といい、アジア市場向け製品だけでも約20機種がそろう見込み。端末メーカーとしてはAcer、HP、HTC、LG Electronics、Samsung、Sony Ericsson、東芝などが名乗りをあげている。


photo 今後はWindows Mobile搭載スマートフォンを「Windows phone」のブランドでプロモーションしていく

photo CEATECの東芝ブースでは、「T-01A」の海外版である「TG01」でWindows Mobile 6.5を体験することができた。なお、NTTドコモではT-01Aの6.5へのアップデートは「提供するかどうかも含めて未定」としている

 日本の通信事業者では、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、ウィルコムの3社が、2月の発表当時から賛同パートナーリストに含まれている。越川氏は国内での具体的な発売時期については未定としながらも、「年内に複数機種を出していきたい」とコメントしており、各社が例年10月後半から11月にかけて発表する年末商戦向けの機種の中に、Windows phoneが含まれるのは確実だ。

 越川氏はWindows Mobile 6.5の特徴として3つの強化ポイントを挙げる。1つ目は新しいUI(ユーザーインタフェース)で、従来スタイラスを使用しなければ扱いにくかったスタートメニューを改良し、親指で操作しやすい大きなアイコンを用いる全画面メニューに変更した。


photo Windows Mobile 6.5の3つの強化ポイント。右上が親指操作に対応した新しいメニュー画面

 2つ目はパフォーマンスの向上で、OSの改良により操作感を高めた。「いままでは残念ながら『もっさり』という評価をいただくこともあったが、今回はかなりサクサク動く。(どれだけ性能が向上したかは製品ごとに異なるが)どのデバイスにおいても従来に比べかなりの改善が見られるのは確か」(同氏)という。電源管理機能も強化されており、バッテリーの持ち時間も良くなったとしている。

 そして3つ目が、サービスとの連携である。Windows phoneの発売にあわせ、β版サービスだった「My Phone」の正式提供が開始され、アプリストアの「Windows Marketplace for Mobile」もオープンした。Windows Mobile 6.5にはこれらのサービスを利用するためのクライアントソフトがプリインストールされており、購入してすぐに、端末とインターネット上のサービスを連携させた使い方が楽しめる。

 My Phoneは、デバイス内部に保存した連絡先や写真などのデータをインターネット上のストレージ領域と同期できる、いわゆる「クラウド」型のサービスだ。Windows phoneの写真撮影機能とも連動しており、カメラで撮影した画像が何もしなくても自動的にアップロードされ、即座に家族や友人との間で共有することができる。

 PCからインターネット上にアップロードしたデータをWindows phoneと自動同期させることも可能なので、例えば会社を出かける前にPowerPointのデータをアップロードしておけば、Windows phoneでプレゼンテーションの練習をしながら移動し、訪問先の会議室に備え付けてあるPCからネットにアクセスして、データをダウンロードして本番のプレゼンを行うといった使い方も可能だ。


photo 簡単な導入作業でWindows phoneとクラウドとの同期が可能。同期するデータの種類や同期の頻度も変更できる

 また、β版にはなかった新機能として、Windows phoneを紛失してしまったときのために、Web上の操作によって着信音を鳴らしたり、保存されているデータを消去したりといったことが可能になった。このサービスは最初の何回かは無料で、その後は1回数百円程度で使える有料サービスとして提供する予定という。


photo 着信音を鳴らすだけなら普通に電話をかければいいのだが、この機能を利用した場合はマナーモードでも音を出すことができるほか、見つかった電話を勝手に触られないようロックをかけることも可能

 Windows Marketplace for Mobileは、「一番簡単に説明すると“iPhoneのApp Storeのマイクロソフト版”」(越川氏)だが、PC上でアプリを購入するとき、App Storeの場合必ずiTunesを通じて購入する必要があるが、Marketplaceでは通常のWebからも購入できるようにするという。PCに専用アプリを入れなくても、通常のWebを検索するのと同じ要領でアプリを探し、Webブラウザ上で購入できるので、このほうが利便性が高いとしている。

 Marketplaceは、当初はWindows phone本体からのアプリ購入にしか対応していないが、PCでの購入が可能になった場合、購入手続きが終わるとWindows phoneにアプリのファイルがプッシュ配信され、最終的にWindows phoneの画面上でインストールボタンを押すことで導入が完了する仕組みになっているという。Windows Live IDがユーザーアカウントとして用いられ、購入したアプリは最大5台のデバイスにインストールすることができる。

photo 海外でオープンしたWindows Marketplace for Mobile。日本でもWindows phone発売に合わせて用意される予定

 現在Windows Mobile向けのアプリは世界に約2万5000タイトル、日本向けのものだけでも1000〜1200タイトルほどが存在するという。ただし、Marketplaceではこれらのアプリを網羅するつもりはなく、消費者が「このアプリがあるならWindows phoneを買いたい」と思うような良質なアプリを厳選して販売する「量より質で勝負」の戦略で展開していくという。

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