ドコモと富士通、サイレント障害の検出と発生区間特定技術を共同開発

» 2009年12月16日 17時48分 公開
[園部修,ITmedia]

 NTTドコモと富士通が、IPネットワークで発生したサイレント障害を検出し、発生区間を特定する技術を共同開発した。サイレント障害の検出は、既存の技術では解決が困難とされている。

 サイレント障害とは、ルータ装置内部の障害によって、IPネットワーク上でのデータ送受信が停止しているにもかかわらず、装置自身が故障を検出しないため、ネットワーク管理者にアラームが通知されない障害のことを指す。これを検出するためには、専用の監視装置を設置し、試験データを送受信して分析する必要があるが、両社が開発した障害検出技術は送受信結果だけでなくデータロス率や遅延状況なども合わせて分析し、障害発生の兆候も検出できるのが特長だ。

 またサイレント障害が発生した場所を特定するためには、IPネットワーク内の全データ経路に対して障害検出結果に基づく計算をするのが一般的だが、ドコモと富士通の新技術では実際にデータが流れているネットワーク経路情報に基づいて障害検出結果を分割して処理するため、場所の特定に必要な時間が最大8割短縮できる。これに、従来の障害検出技術を用いて取得したルータの稼働情報なども加えて詳細な分析を行うと、通常の障害とサイレント障害を判別し、サイレント障害の発生区間を特定可能だという。

 ドコモでは、2010年12月に予定するLTE(スーパー3G)の導入に向け、ネットワークのIP化を進めているが、今回の新技術により、IP化されたネットワークでの障害発生時にも、サービス復旧までの時間をこれまでより大幅に短縮できるとしている。

Photo 障害検出技術のイメージ図
Photo 障害発生区間特定技術のイメージ図

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  4. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー