BlackBerryは海外担当社員の救世主――キリンがスマートフォンを導入した理由(1/2 ページ)

» 2010年08月26日 12時20分 公開
[神尾寿,ITmedia]
Photo ドコモの2010年夏モデルとして登場したBlackBerry Bold 9700

 欧米でスマートフォンといえば、RIM(リサーチ・イン・モーション)の「BlackBerry」が代表的なモデルとして挙げられる。BlackBerryは早くから高度なセキュリティ機能の下に、プッシュEメールや企業内システムとの連携機能を実装。使いやすい小型QWERTYキーボードやバッテリーの持ち時間の長さと合わせてビジネスパーソンの高い支持を集めている。とりわけグローバル企業や金融・保険業界での採用が多く、「ホワイトカラーの必須アイテム」として広く認知されている。

 日本ではNTTドコモがスマートフォンの1つとしてBlackBerryシリーズをラインアップしており、今夏にはBlackBerry Bold 9700を投入。これらはドコモのモバイルソリューション商品として販売されており、日本でも導入企業が着々と増え始めている。

 そこで今回はBalckBerry導入企業の1社であるキリンホールディングスを訪ね、BlackBerryの導入と活用の現状について話を聞いた。

わずか1カ月で進んだスマートフォンの導入

Photo キリンの国際部門が最初に導入したBlackBerry 8707h

 キリンがBlackBerry導入に費やした期間はすこぶる短い。2007年11月上旬に最初の検討を行い、翌12月には初期の導入が実施されている。わずか1カ月あまりというスピード導入だ。

 「(海外出張の多い)国際関連部門から『とにかくスマートフォンを導入してほしい、導入してもらわないと困る』という切実なオーダーがあったので、すぐに導入可能なスマートフォンのソリューションが必要だった」(キリンホールディングス経営企画部 主査の桝田浩久氏)

 キリングループでは、個々のグループ会社でIT部門を持たず、傘下のキリンビジネスシステム(KBS)が全体のIT戦略・投資計画を担っている。KBSでもスマートフォンを用いたモバイルソリューションの検討を行っていたが、それでは国際関連部門からの導入要求にはとても応えられなかった。

 「KBSが当初検討していたのは、Windows Mobile端末の導入でした。しかし、セキュリティや運用面、投資時期の検討から、Windows Mobileの導入は長期的なスパンで考えており、これでは国際関連部門からの『とにかく何とかしてくれ』という矢のような催促には、とても応えられなかったのです」(桝田氏)

 なぜ、それほどまでに「急ぎでスマートフォンが必要だった」のか。

 他の業界や企業と同様に、キリンでもビジネスのグローバル化が重要な経営課題になっており、国際関連部門では海外を飛び回る日々が続いていた。それに伴って、社内外とのコミュニケーションで重要な電子メールの連絡が、長期間途絶えてしまう事態が発生していたのだ。

 「海外出張が増えると、まず移動時間が延びます。この移動時間を活用できないというのは、社員と会社のどちらにとっても損失になる。メールを処理するならばノートPCを持ち歩けばいい、という考え方もありますが、海外ではノートPCを利用する上で必要な通信回線の確保が(手間がかかり)難しいという課題がありました。とりわけアジア諸国ですと、通信の確保が(ノートPC利用の)大きなボトルネックになる」(桝田氏)

 海外を飛び回るビジネスパーソンにとって、出張先の国々で「通信回線をどう確保するか」と考えて、メールを使えるように自分でノートPCを設定するのは面倒だ。そもそも彼らは、海外でノートPCを使えるようにするのが仕事ではない。そこでグローバルで利用できて、手っ取り早く業務メールが扱えるスマートフォンを強く要求したのだ。

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