“クルマ選びの楽しさ”訴求で売れ行きアップ――iPad活用の中古車販売店「WOW!TOWN」の企み自動車不況を吹き飛ばせ(2/2 ページ)

» 2012年12月06日 17時53分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
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4000台の中からお気に入りの1台を見つけられるシステム作りを

Photo ガリバーインターナショナル クラウドプロジェクトリーダーの椛田泰行氏

 実はWOW!TOWNの新しさは、クルマの提案手法だけではない。中古車販売の合理化に向けた新たな取り組みも、着々と進行しているのだ。そこではiPadが重要な役割を担っている。

 そもそも、ガリバーの中古車販売システムは、とても合理的だ。全国のガリバー店舗の在庫情報は、ほかのどの店からでも同社独自の販売システム「ドルフィネット」を通じて確認でき、来店者は全国およそ4000台の在庫の中から好みのクルマを探すことができる。気に入ったクルマの情報は、同社が「目で見る以上の情報がある」と胸を張る画像の数々とスペックデータを通じて事細かくチェックできる仕組みだ。来店者は展示場をいくつも回ることなく欲しいクルマを探すことができ、店舗側も車両の移動などの手間をかけずに済むほか、店舗面積もコンパクトにできる。

 しかし、いくら販売システムの質が高くても、4000台の在庫の中からお気に入りの1台を選ぶのは難しい。そこで重要になってくるのが、質の高いレコメンドシステムだ。質の高いレコメンドシステムを作るためには、どんなユーザーがどんな目的で、どんなクルマの中からお気に入りの1台を選んだのかというデータが必要になる。ガリバーでは、こうしたクルマ選びのフローを集めて分析し、レコメンドデータに生かすことを検討しているという。

 椛田氏はまた、経済不況が長引く可能性があることを考えると、さらなる合理化を考える必要があると話す。「どんなに営業スタッフががんばっても、クルマを1人1日1台以上売るのは難しい。それを超える台数を売っていくためには、どうしたらいいかを考えなければならない。そうなってくると、オートメーションとかコンピューターの力が重要になってくる」(椛田氏)

 従来型の小さな店舗では販売のオートメーション化は難しいが、WOW!TOWNのようにiPadをガイド役として使った大型店舗では、スタッフがつきっきりで案内しなくても、来店者が楽しみながらクルマ選びをするところまではできてきたという。椛田氏は、「より(クルマ選びのフローを)自動化し、より楽しいコンテンツをしっかり提供することで、お客さん自らが進んで『このクルマを買いたい』と言ってくれるような店作りをしなければならない」と意気込む。

 ガリバーが取り組む新しいコンセプトの店作りは、若者のクルマ離れや経済不況と無縁ではない。厳しい経済環境の中で売上を伸ばすためには、新たな顧客層の取り込みや、店舗側の合理化といった施策に積極的に取り組む必要がある。WOW!TOWNは、こうした新たな取り組みを形にした店舗といえるだろう。

Photo WOW!TOWNのレイアウト図。約200台の車が5つのゾーンに展示されている
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